新年
ペンペン様が怒っている。
どうやら、ジャーの中にあったご飯を、この三日間で食べ尽くしてしまったようだ。
準備不足である。
愛護精神がない。
お腹が空くと、哀しい。
と、言いたいらしい…たぶん。
言葉は話さないけど、プンプンとヒレの部分をバタバタして、怒っていたので、ご飯を炊いて、冷凍物の鰻を解凍して、鰻丼とお味噌汁をペンペン様に献上したところ、機嫌が直った。
めでたし、めでたし。
今度から、非常食も用意しとこう。
ペンペン様は、魔法生物なので、お米もとげるはずなのだが、自分で料理するのを嫌がるのだ。
機嫌が良いと、たまにお握りとか作ってくれる。
たまにだけどね。
でも、嬉しい。
今日は、休日である。
無理に仕事は、取らない。今世は、半自営業だし問題はない。
今日一日は、ペンペン様の食事の世話しながら過ごすのです。
サービス、サービス。
ペンペン様は、あまり動かない。
ご飯時になると寄ってくる。
幸せそうに食べるペンペン様。
身体を一日休める。
休日とは、休むためにあるのです。
何も無いということが、なにものにも代え難い貴重なものであることを、僕は知っている。
大切なものは、失って初めて分かるものなのだ。
午後、ペンペン様を連れて神社を詣る。
人知れず、平和を支えてくれてることに感謝する
いま、この時も、死力を尽くしている
ありがとう、ありがとう
自然と頭が下がる
空を見上げる。
今日も、天晴れである。