こんな私を貶してね
葉月早苗
女主人公
「キモすぎ」
葉月早苗高一
可愛いと肯定してもこの醜さは消えない
両親から受け継いだ重たい瞼に減らない体重、おまけに太いたらこ唇に真ん中にインパクトのある鼻。
どこからどう見たって私は誰から見ても醜い
でも周りはそれを否定した
「早苗ちゃんは可愛いよ。」「あんたは元はいいんだよ」
「ブスとか醜いって言葉をかけて現実から覚まさせてくれ」
そう母親に頼んだこともある
「何言ってんの」
と,茶化される
おまけに二つ上の兄は,笑いながら励ましてくれる
「早苗は体重落とせばどうにかなるって」
皆私が醜いって事を知っててそう言っている
ならもっと私を侮辱するくらいにもっと先の崖に立たせてほしいくらいに、私は恵まれていた
でもそんなのが欲しいんじゃなかった
私は自分を受け入れられなかっただから,無理にでも否定して欲しかったんだ。
だけど,誰もブスというブの字も話題に出した事は、なかった。
確かに人と話す能力はあった
おまけに怪我をしたやつはほっとけなかった。
恥ずかしくてやめろと言ってくる奴もいたが、無理にでも絆創膏を貼り付けていた
「休むことも人間の仕事だよ。恥ずかしくてごめんね。」
と無理矢理そっけのけた事もあったかな。
そしてやがてわたしには人が集まっていた
気づいたらそうなっていたのだ。
だから私は決めたんだ
人に侮辱される人材になってみようと,こんなに醜いのなら私を罵倒してくれる奴なんでクラスに何人かはいるはずなんだ。
今日は転校初日
焦らず、落ち込まず、決めてきたキャラの設定とセリフを完璧に覚え、いざ学校へと向かった。
「葉月早苗です!!これから宜しくお願いします!!」
こうして私の学校生活は始まった。
、