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お題シリーズ3

壊してはいけない絆

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その絆は壊してはいけない。


 この世界には、世界の平穏を脅かす魔王がいる。


 その魔王を倒すために、彼等の絆が必要不可欠だったからだ。


 男性二人と女性一人でできていたパーティーがある。


 人々の希望をになった勇者パーティーだ。


 しかし、その勇者パーティーは、恋愛事でもつれるかもしれない。


 優しく力強く、気高く意志が強い。そんな女性に男性二人が同時に惹かれていたならば、問題が起きないはずがない。


 勇者の旅を支援する我々、組織の人間はかねてから懸念していた。


 実際、パーティーの仲は日をおうごとにぎくしゃくしていて、早急な対処が必要に思えた。


 男性達が、女性に良い品物をプレゼントしたり、二人きりでデートをしたがるなど、異常があからさますぎる。

 恋愛感情を抱いていないわけがない。


 だから、その絆が決定的に壊れる前に、自分達の手であえて壊して、代わりの人間で埋め合わせる事にしたのだ。


 女性と同じような事ができる人間、女性と同じような性格の人間を見つけてきて、予備として控えさせた。


 もちろん、恋愛面でもめごとがおきないように、その人物は男性だ。


 その男性に、理由は話してはいない。


 勇者パーティーに不測の事態が起きた時のために控えていてほしいい、とだけ言っておいた。


 そして私達は、秘密裡に件の女性を呼び出し、罠にかけて亡き者にした。


 勇者パーティーの一員なのだから、苦労すると思っていたが、恋愛事にうつつをぬかして浮ついていたのだろう。


 こんなありさまだから、始末して正解だった。


 恋愛でだめになる人間が、勇者パーティーの一員だったなんて、そんな悪評を立てたくない。


 パーティーの他の仲間二人は悲しんだが、立ち直れるように私達はしっかりとフォローした。


 そしてそのあと、代わりの人員を補充させる。


 できあがった新しいパーティーは順調に絆を育んでいるようだ。


 心配はない、今度は大丈夫だ。


 以前と同じような問題で、絆が壊れかけたりはしない。





「ふぅ、戦闘終了。そういえば、俺の前のパーティーメンバーってどんな女性だったんだ?」

「良い奴だったよ。女性なのに、むさくるしい男の旅に文句も言わないでついてくる。事故で死んじゃったけどな。可哀そうに」

「そうそう、あれは驚いた。かなり胸にきたし、辛かったぜ。武器屋の男と結婚を考えてつきあってたっていうのにな。初めて知った時は動揺しすぎて俺達ぎくしゃくしちまったぜ。でも、その後は色々アドバイスしたり、仲が進展しそうな物とか贈ってたんだぜ」





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