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#8 恋愛相談




 話すんだ。全て。美恵に。



 話せば少し楽になるかもしれない。


 

 少しのどが乾いてる感覚があるし、心臓もどくどくしてる。



 きっと美恵なら大丈夫。大丈夫。大丈夫…。



 

「あの、…ね。…ウチの部活の佐藤睦月先輩って知ってる…?」

「…うん」



 美恵は真剣に聞いてくれている。



「私、…その………」



 ちゃんと聞いてくれるんだ。



「……睦月先輩が…好き、なの」


 美恵は少し目を開いた。

 驚くのは仕方ないかもしれない。




「その、…本気で、好きで…ね」



「そうなんだ」


 少し時間がたってから、美恵はそう答えた。


 美恵が受け入れてくれるかわからないけど、ちゃんと言えた。

 それだけでも少し楽になった気がする。


「…それでね。夏祭りの日、偶然睦月先輩を見つけて、その先輩と一緒にいたのが、葛城くんのお兄さんで…――」




 私はそのままたんたんと話続けた。美恵はじっと聞いてくれた。







 ◆






 私が全てを話し終わった後、美恵は少し考えるかのように下を見てからぱっと私を見た。



「ありがと―」


 美恵は微笑んだ。


「―…全部話してくれて、ありがとう」




「…もしかして美恵、葛城くんとの話を」

「聞いてはないよ…、ただね……葛城と眞由がどっか行くの見て、優佳がかなり戸惑ってたから」

「あ」



 そうだった。ごめん優佳。

 


「ご、ごめんっ私そんなつもりじゃ」

「わかってるよ。今の話聞いて納得した」


 優佳は今日もいつも通りだったけどホントはそんな気持ちになってたなんて…私は少し罪悪感が残った。


「大丈夫、優佳にはうちからちゃんと話しておくから。大丈夫だって」


「ん…、ありがと。お願いね」



 こんな友達を持てて良かった。




「…ていうかさ、なんで葛城がその浜内っていう先輩のことを眞由に伝えたのかだよね」

「え…?」


 そういえば考えてなかった。


「…美恵なんでかわかる?」




「なんかさ。…葛城は睦月先輩を止めて欲しいってことなんじゃないかな」


「…とめる?」


「だから、…なんていうか……浜内先輩にも好きな人がいるから、睦月先輩が傷つく前に……止めてほしいって感じだと思うんだ。今の話だと」

「なるほど…」


 胸が少しズキッとなった。睦月先輩の思いもかなわないのか…推測だけど、本当に当たってる気がする。

 でなければ、あの葛城くんがそんなこと話すわけがない。




「意外と葛城も良い奴なんだね」

「そうだね。ねぇ、もしかして葛城くんも睦月先輩が好きなのに…睦月先輩が女の人好きだから…とかないかな?」

「あぁ、ありうるかも~…、だとしたらすごいね、ホント良い奴」

「優佳大正解だったね」

「さすが優佳だよ」



 二人で少し笑ってたら、私はふと、思い出した。




「そういえば、美恵の好きな人って誰?」


 私が美恵に聞くと、美恵は少し動きを止めた。



「…なんで?」

「えー、だって知りたいじゃん」


 美恵はじっと私を見た。


「…教えて上げても良いよ」

「…いいの?」



 美恵が私に人差し指を向けた。



「眞由が好きって言ったらどうする?」


 美恵はにぱっとした表情をしながら言った。



「…?」


 私は固まってしまった。



「あー、ごめんごめん、冗談冗談!!」


 美恵はいつもの笑顔で楽しそうに言った。


 一瞬心臓が止まるかと思った。ちょっとドキッとした自分が悔しい。


「驚かせないでよー」


 私も笑いながら言った。


「やっぱ驚いたー?」



 私は、いままでぐるぐるしていたことも忘れて、美恵と笑いあった。







遅れまして本当にスイマセン。

これからの展開がじょじょに見えてきたところなので…。

次は冬くらいになるかと思います。

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