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波打ち際の空虚

作者: 奥田 繭

カーディガンのポケットをかがっていたら

向こう側から瞳が見えて

だからわたしはのぞいたのです

なにもいないと知りながら

もしかしたら今日こそは運命が迎えに来てくれると期待して


歩く歩く生きてる今をわたしは歩く

夕刻の空気がわたしの身体を認めるように

初めましての顔と数人すれ違い

わたしの時間はわたしだけのものではなくなった

だれの目にもわたしは見えていなかったけれど

わたしの質量分はちょっと窮屈だったはず


結局分かっているのは済んだことだけで

押しよせる記憶の波はわたしの足をさらうことさえしてくれないから

過ぎ去る未来をつかむ用意もままならなくて

気づけば心と身体の年齢がちぐはぐだらけの段違い平行棒


セピア色に染まる若いワタシはシーズン序盤戦で伏線張りまくり中


早く回収するのが腕の見せ所ですよ運命論者様

最終シーズンはまだ先の先の予定しておりますからこのあたり一度めの逆転劇であいつらを沸かせてやってくださいな


待ちくたびれたのはゴドーが来ないからじゃない

聖水の生ぬるさに慣れてきたのは麻痺した肉体の誤作動のせいにしたい


そんなにも他人の鼓動を解剖したいのならば

手始めに自分の名前から解体してみなさいな

さよならの着地点点点

かえすがえすの出合頭頭頭


そんなこんなでおしまいの国から帰ってきました

また今度やってみますありがとう

かしこ

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