表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題シリーズ2

たった一言で 君らしく

作者: リィズ・ブランディシュカ



 男女平等なんて、夢のまた夢。

 いつになったら、私達に光が当たる日はくるのかしら。

 

 本当にみんな男って、馬鹿ばっかり。


 その一言だけは許せないわ。


 その男は、よく会社で競うライバルだった。


「ちょっとは女らしくしたらどうだ」


 いつもなら、すまし顔で対応しているのに、あんまりにも言われ過ぎて、限界。

 むかっときて、つい口げんかになってしまったわ。


 こんなんじゃ駄目ね。

 反省しなくちゃ。


 でも、うんざりする私の気持ちも分かって。


「女らしく」


 私と話す男はいつもそう言うのよ。


 私が、大人しくないから?

 私が、男の人を立てて行動しないから?

 私が、勝気だから?

 私が、行動派だから?


「まるで男みたいだ」「女じゃない」「女らしくないお前はおかしい」


 馬鹿馬鹿しい価値観ね。


 貴方達っていつもそう。

 型にはまっちゃって、自分の意見を絶対だと思ってるのよ。


 その無駄な事しか喋れないお口で、もっとポジティブな言葉を言えないの?


 無理よね。


「女らしくない」私に成績が負けてるんだもの。


 ようするに、やっかみなのよ。

 生意気な女を懲らしめる口実がほしいだけ。

 皆がいう当たり前をふりかざして、私に嫌がらせしたいだけ。


 つきあってられないわ。


 今もほら。


 そんな男が声をかけてきた。

 仕事をするたびにこうなの。

 面倒になってきたわ。


「君みたいな女性は始めて見たな」


 私と話をするその男も、ぽかんとした様子で他の男と同じ事を言う。


「僕の周りにいる女性は、みんなこんなに行動的じゃなかった」


 あらそう。

 それは良かったわね。

 あなたを尊敬して、補佐して、立てて暮れる人間ばかりで。


 さぞ鼻が高かったのでしょうね。


 でも、それを私にまで求めないでちょうだい。


 けれど、彼は違ったの。

 私の予想を超えた言葉を言ったのよ。


「でも、それが君らしさなんだね」


 彼は私が私でいる事をみとめてくれた。


 きっと、何気ない言葉だったんでしょうね。


 それは、対して考えもしない、ただの一言だったのよ。


 けれど、私にとっては特別な一言だったわ。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ