表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

使命

「すると、あんたは記憶喪失なのかい?」

マスターはコーヒーを飲みながら彼に聞いてみる。

「おそらくは…。でも何かしなければいけない、そんな気がするんです。『使命』ってやつですか。そんなのが」

その場に沈黙が走る。

「いくら『使命』があっても記憶をなくしたら意味ないですね」

エーリカの言葉に彼は苦笑する。

「明日このコロニーを回ってみます。そうすれば思い出せそうです」

「泊まるとこはあるのか?なかったらこの店に泊まりな」

「本当ですか。わぁ助かります」

こういう気さくで寛大なところがマスターの人徳である。

「そん代わり泊まっている間午前中と夜間はきっちり働いてもらうからな」

「はい、よろしくお願いします」






次の日。

「エーリカ、この兄ちゃんの案内をしてやってくれ」

「え、店の方は?」

「俺一人でも大丈夫だ。そっちの兄ちゃんは危なっかしそうだからな」

「わかりました。なるべく早くもどりますね」


彼を案内すること1時間。彼は何事においても関心するばかりであった。

「どう?このコロニーは?」

エーリカは誇るように彼に問いかける。

「平和です。そして活気があり明日を生きようとがんばっている。他のコロニーではこんなことはなかったです」

「他の?記憶は無くしているのに変ね」

「はい、記憶を無くして旅をしていますからね。無くした後のことは覚えています」

苦笑混じりの声に潜む寂しさをエーリカはみた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ