34/129
おい! 患者と会話しろ!
二年ほど前、母が胃ガンを発症した。
元々、肺ガンからの転移なのだが、今では元気にやっている。
そこでの話なんだが……。
母のガンの手術成功、その後予後経過を見るために病院に付き添いで行った時のこと。
主治医の先生が母を見て不思議そうな顔をしていた。
俺は不信に思ったが……主治医がパソコンに向き合いデーターを見た瞬間!
「あっ、どうですか具合は!」
なんて事を言った。
俺は、は? と思ったが、母が気にとめずに経過の話を始めた。
診察が終わり、帰り道のクルマの中、さっきのアレの話を切り出した。
すると母が言うには……
手術の主治医と、消化器科の主治医は別
と言った。
つまり母が手術の過程を踏んでいる間、たくさんの患者を診ているから、私の顔までは覚えていない。だって、忙しいから! なんて、笑っていた。
おいおい……。
俺は苦笑した。
忙しいのはわかる。
わかるが、患者の顔を見るより、データーを見る方がわかるって、どうなってるの? 本気で思った。
今の医療は大変いい。
いいのだが……これは人を人と扱ってないような……日本の医療は大丈夫? そんなため息を吐いては母に怒られていた。
……本当に大丈夫だろうか? うーん。




