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おい! 患者と会話しろ!

 二年ほど前、母が胃ガンを発症した。

 元々、肺ガンからの転移なのだが、今では元気にやっている。

 そこでの話なんだが……。


 母のガンの手術成功、その後予後経過を見るために病院に付き添いで行った時のこと。

 主治医の先生が母を見て不思議そうな顔をしていた。

 俺は不信に思ったが……主治医がパソコンに向き合いデーターを見た瞬間!


「あっ、どうですか具合は!」


 なんて事を言った。

 俺は、は? と思ったが、母が気にとめずに経過の話を始めた。


 診察が終わり、帰り道のクルマの中、さっきのアレの話を切り出した。

 すると母が言うには……

 

 手術の主治医と、消化器科の主治医は別


 と言った。

 つまり母が手術の過程を踏んでいる間、たくさんの患者を診ているから、私の顔までは覚えていない。だって、忙しいから! なんて、笑っていた。


 おいおい……。


 俺は苦笑した。

 忙しいのはわかる。

 わかるが、患者の顔を見るより、データーを見る方がわかるって、どうなってるの? 本気で思った。

 今の医療は大変いい。

 いいのだが……これは人を人と扱ってないような……日本の医療は大丈夫? そんなため息を吐いては母に怒られていた。


 ……本当に大丈夫だろうか? うーん。

 


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