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亜波の国際ネット婚活日記  作者: マリンバ
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初めてのサイト登録

さて、国際ネット恋愛に足をつっこむ初日。今日は仕事がオフだから、朝っぱらからとりかかることにした。


やっぱりこういうのは、携帯でなくてPCからが良いだろうと思い、ラップトップを開く。


まずは、どのサイトから手を付けるか、ネットで検索をかけてみる。日本語で検索するより、英語のほうが幅が広がりそうなので、International/ Friends/ Online / Japanese など、まぁ、無難なワードを入れて「検索ボタン」をポチッと押した。

一気に表示される、選り取り見取りの出会い系サイトに仰け反る。

ずらりと並ぶ、サイト名。

こんなにいっぱいあったら、どこから手を付ければいいのかわからない。とりあえず、いくつか開いてどんな感じか調べてみた。結構どこも登録人数は多いようだ。現在、メンバーがオンラインかオフラインか分かるようになっているところもある。基本、どこもチャット機能があるらしい。

手始めに、見た目的にセキュリティがちゃんとしてそうな、サイトAに登録を試みる事にした。


サイト A

極当たり前だが、国籍、年齢、居住場所などの個人情報の登録、配偶者有りかシングルかなどの現在の交際ステータス等を入れる。必須情報を入れたら、登録メールアドレスの承認を経て、写真のアップロードが始まる。名前は当然、ニックネーム。ここでは、母国語、使える外国語も選択するようになっていた。このサイトに登録している人間が、どこまで正確に登録しているか怪しいものだと思いつつ、とりあえず、正直に登録してみる。ここは写真登録が厳しいみたいで、風景写真とかじゃダメらしく、試しに、飼い猫の写真をアップしてみたら「認識できません」ではじかれてしまった。仕方ないので、サングラスをかけた、カフェでの一枚をアップロードしたら、OKが出た。

これで終わりと思いきや、今度はたくさんの質問表が出た。曰く「質問に答えることで、気が合う人に出会いやすい」からとのこと。ここはそのままスキップ出来るようだが、確かに、出会いを絞り込むには、こういった情報を入れておくのもいいかと思い、面倒くさいと思いつつ、一個一個、回答をすることにする。


好きな動物や、ベジタリアンなどの食べ物の志向、自分の身長体重入力、占いを信じるか、宗教、政治に関する興味、趣味など、延々と入力させられた挙げ句、今度は、相手に求めることを選択できる質問が出た。相手の年齢、国籍、人種、身長体重、希望交際内容(本気、カジュアルデート、ただの友達、セフレなど)、相手の婚歴や子供の有無、現在収入、雇用形態……よくまぁこれだけ質問を作ったもんだと驚く。さすがに外国系のサイトだと驚いたのは、性欲の強さまで選ぶという細かさ!

よくわからないところは、すっ飛ばしたけれど、なんだかんだと登録だけで1時間もかかって疲れた。

最後の質問に答えて、Finishボタンを押し、画面が「送信中」になったのを確認。一仕事終えて、ぐったりと疲れた私は、キッチンにコーヒーを取りに行った。脳みそをつかってくたびれたので、コーヒーに、ダークチョコレートをふたかけ入れて、カフェモカまがいの物を作る。



キッチンに来たついでに、携帯をチェックして、友達にラインのメッセージ等をいくつか送り、10分ほどして、もう一度デスクの前に戻る。


画面が、自分のアカウントページになっているのを見て、あっと驚く。

チャット機能のところから、もう7件も新着メッセージが入っていた。

驚きながら、椅子に座り、早速、確認。

時差を考えたら、夜から早朝にあたるであろう、北米や欧州からのメッセージ、後は何故か、中東やアフリカからも入ってる。ちなみにアジアからは一通もなかった。

Hi だけしか書いていないやつもあれば、いかにもコピペしたっぽい自己紹介文を送って来たのもある。

まさか、登録直後に速攻でメッセージが入ってくるとは思わず、しばし、画面を眺めて呆然とする。そうこうしているうちにも、また、新たなメッセージが入ってくる。とりあえず、片っ端から開けて読んでいったが、明らかに英語が母国語という人も入れば、出身地の表示がフランス、トルコなどで、微妙な英語で書いてきている人もいる。ネィティブの人とじゃなければ、意思疎通は難しいだろう。なんたって、私自身がネィティブじゃないんだから、英語力が怪しいもの同士だと、メッセージの交換もどこまで続くかわかったもんじゃない。


怪しい英語の人に、「すみませんが、英語ネィティブの方を希望しているので」とコピペで送り返す。複数は、そのまま返信来なかったが、残りは、それでもまだ、「僕はネィティブだ(絶対ウソだろ!)」「日本語勉強中だから、友達になって」などと返してくるので、無視することにする。

そして、ようやく、恐らく英語ネィティブと思われるメッセージを送って来た男達に返信をすることにしたのだが、そうこうしている内にも、どんどん新しいメッセージが入ってくるので、どうにか食い止めようと、現在のステータスを「オフライン」にしてみた。

なんとか、怒濤のメッセージ受信に歯止めがかかり、ホッとする。


それにしても、登録直後から、こんなにたくさんメッセージが入ってくるとは。

すでに、不安な気持ちになる。

このサイト、ヤバそうな人が多いんじゃないか。まさか、まともな人なんて、全くいないとか。

及び腰になってきたが、まぁ、私みたいに新参者で普通の人間もいないわけじゃないだろうし、英語の勉強と思って、しばらくは続けてみるのもいいかと自分に言い聞かせる。これも一種の社会勉強。

早速、返信の英語メールを打ち始めたのだった。





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