依頼をこなそう
ブックマークが増えていて、とても喜んでいます!今回もお付き合い下さい!
――この暗い空間は何処だろう?たしか宿の部屋で寝てたはず・・・
「気がついたかの?」
「ん?うわ!?神様!?驚かさないで下さいよ」
「ホッホ済まないの」
「ここは何処ですか?
「ここは精神の部屋と言うべきかの?お主の精神をここに呼んだのじゃ」
「精神をですか。それで、どうかしたんですか?」
「いや、特には何もない。ただ、お主と話をしたいと思ってな」
「話ですか」
「そうじゃ、話じゃ。お主、あの世界ですごし始めてどうじゃった?」
「はい、そうですね・・・初めてのことや楽しいことがたくさんあってとってもいいと思います」
「そうか、楽しんでおるか。ならいいのじゃ」
「まあ、驚く事も幾らかありましたが」
「ホッホこれからも幸せを掴む為に頑張っていくんじゃぞ?」
「はい!もちろん頑張ります!」
「うむ、そろそろ時間じゃ。それではの」
「はい!それでは!」
――もう朝か、そういえば今日からCランク冒険者になるんだったな。朝食をとってギルドに行こう。
ふあ~まだ少し眠いな。さて、すいてる席に座ろう。誰か座ってるな・・・あれは
「ルーシャ!お早う」
「え、ゆ、ユキト?お早う」
やっぱり少し赤くなってる・・・
「今から朝食をとろうと思ってたんだけど、隣いいかな?」
「い、良いよ。 むしろ座って・・・」
「何か言った?」
「いや、何でもない。それよりユキトはこのあとどうするの?」
「ああ、このあとはギルドに行ってCランク冒険者になったから手続きをするんだ」
「そう、その後は?」
「ん~折角Cランク冒険者になったんだし、Cランクの依頼でも受けようかな」
「それ、私も行っていい?」
「ん、ああ、良いよ」
そういえば、ルーシャって何ランク何だろ?聞いてみようか。
「ルーシャってさ、何ランクなの?」
「私はAランクだよ」
「A!?思っていたより高いね。でも、Aランクの冒険者がCランクの依頼を受けられるの?」
「問題ない。だから早速行こう」
「え!?ちょっと待ってよ!」
「置いていくよ?」
ん~速いな~。ま、ルーシャはAランク冒険者らしいし、一緒に依頼を受けても大丈夫か!
「今行く!」
――ギルド――
「手続きをしに来ました」
「あ、ユキトさん!待ってましたよ。早速ギルドマスターの部屋に行って手続きを終わらせましょう」
「はい」
「ねぇ、私も行っていい?」
「ルーシャさんもですか?何故ですか?」
「・・・後で言う」
「そうですか・・・ユキトさん、構いませんか?」
「あ、はい。良いですよ」
「ん、有り難う」
「では行きますよ」
「「はい」」
――3階――
「ユキト!よく来たな!それと、ルーシャ?何故一緒にいるんだ?」
「ルーシャさんが一緒に行ってもいい?、と言い、ユキトさんが許可したので」
「そうか、ルーシャがか。珍しいな。まさかユキトに一目惚れしたか?ははッ」
「マスター?言い残すことはある?」
「うわ!?まてまてまて!悪かったからここで魔法を撃とうとするな!」
「そう、分かったのならいい」
お~流石Aランク、詠唱が速いな。これならSランクは無詠唱が出来るかな?
「ご、ゴホン。じゃあユキト、早速手続きをしよう」
「分かりました」
「よし、終わったな。それじゃあもう帰って貰って構わないぞ」
「そうですか、じゃあ――」
「ちょっと待って」
「ん?どうしたのルーシャ?」
「話がある・・・マスター、私ユキトとパーティーを組みたい」
「な!?」「ええ!?」「へ?」
「どうしたんだルーシャ。何時もソロだったお前がいきなりパーティーを組みたいだなんて」
「そうですよ、どうしたんですか?」
「いや、別に・・・ただユキトとパーティーを組みたいと思っただけ」
そう言いながら顔を赤くするルーシャを見て、マスターと受付のお姉さんはニヤリとした。
あれ~?これ決定した感じ?うん、別に嫌じゃないし、嬉しいけど、何か2人がニヤニヤしてるし。
「だ、そうだぞユキト。どうするんだ?」
いや、そんなニヤニヤしながらこっち見ないで下さいよ。まぁ、良いか。
「良いですよ。パーティー組みましょう!」
そう言うとルーシャは何時もの眠そうな感じが無くなったように嬉しそうにし、
「有り難う!」
と言った。因みに、2人はまだニヤニヤしている。何か恥ずかしくなってきたな、さっさと1階に行きたい。
「あの、もう1階に降りていいですか?」
「ああ、構わない。パーティー申請書は此方で作成しておくがいいな?」
「はい。宜しくお願いします」
「ユキト、速く行こう」
「分かった。行こう!」
そうしてギルドマスターの部屋をでた。出るときに2人の顔をチラッと見たが、まだニヤニヤしていた。もうやめてほしい。だって何か恥ずかしいし!
――1階――
「何の依頼を受けようか・・・」
「ん、これで良いんじゃない?」
「どれ?・・・“オーク討伐”か。よし、それにしよう」
「うん、じゃあ受付いこう」
「分かった」
・・・それにしても、さっきから何かざわついてるな。まぁ、何でかは大体分かるんだけど。
「あれ見ろ・・・」「ルーシャがあの少年と依頼を受けるみてーだぞ」「何時もソロなのに、珍しいな」
ほらやっぱり。ルーシャが誰かと一緒に依頼を受けることが珍しいみたいだな。ほとんどソロだったって聞いたし。
「ユキト、受付を済ましたから速く行こう」
「あ、うん行こう」
何か嬉しそうだな~どんなこと考えてるんだろ。
「(ユキトと二人で依頼を・・・凄く良い!)」
二人がそんなことを考えていること数分――
「ふ~やっと森に着いた。確か依頼はオーク5体の討伐だったっけ?」
「うん、そう。早速森に入って探そう」
「分かった。ルーシャは索敵出来る?」
「少し苦手・・・ユキトは?」
「ん、じゃあ索敵は俺がやるよ。久しぶりだけど――周囲探査!」
お、探査出来る距離が広くなってる。で、赤い点は・・・あった!10個位で固まってるな。これはオークなのかな。分かれば良いのに――ん?おお!性能も上がっててモンスターの名前が分かる!ここに固まっているうち半分はゴブリンなのか。まぁ、オークが5体いるからこれを討伐すれば依頼達成だ!
「ここから南に少し行った所にオークとゴブリンが5体ずついる」
「そうなの?よく分かったね。凄い」
「有り難う。さあ、行こう!」
「うん、行こう」
「いたいた、あそこだ!」
「ホント。どうするの?」
「ん~奇襲しよう。ルーシャはまず周りのゴブリンを倒してくれる?その間にオークに攻撃するから」
「分かった。それでいく。じゃあ――火よ来たれ!そして結集し、前の敵を貫け!ファイヤーランス!」
「グ?グギャアァァァァァァァァ!」
流石。全部命中してる。じゃあ俺も!
「雷魔法ー雷波!」
「グォォォォォォォォ!」
「ん~意外とあっけなかったなぁ。ねぇルーシャ」
「そ、そうね。・・・あの、ユキト。言いにくいんだけど」
「どうしたの?(何か嫌な予感がする))」
「その、さっきの魔法で森が燃えていっちゃってるの」
「・・・はいぃぃぃぃぃぃぃぃ!?嘘!?」
そして振り返ると・・・森が燃えていた。
「その、ごめん。ちょっと浮かれててやっちゃった。どうしよう」
「く、まずい・・・そうだ!こんな事に使うのが最初とは思わなかったけど、災害魔法ースコール!」
そう唱えると、ユキト達の周りに雨雲が発生し、大雨が降り、火を消火した。
「す、凄い・・・さっきの魔法もだけど、この魔法も」
「そう?有り難う」
「でも、濡れちゃったね。速く乾かさないと風邪引いちゃう」
「あ、ご、ごめん。取り敢えず、その帽子とローブだけでも脱いだほうがいいよ」
「そうね、そうしたいけど、今日は魔力袋持って来るの忘れちゃったし・・・」
「わ、忘れてきたの?ん~・・・そうだ!買ったけど使ってなかったローブがあったはずだ!」
えーと、これだ!
「はい、その帽子とローブの代わりにこれを着て」
「い、良いの?でもユキトは・・・?」
「良いよ、俺の事は。それに、そのローブはルーシャにあげるよ。買っててを加えたきり使ってなかったしね」
「そうなの?じゃあ、大切にする」
「はは、良いよ。脱いだ帽子とローブは俺が持つよ」
「有り難う。それは魔力袋?」
「ん~似たような物かな」
「そう、じゃあ着させて貰うね」
「うん、どうぞ」
「・・・どう?似合う?」
「ん?うん、にあっt――」
似合う?と聞かれ、ルーシャを見ると、水滴がついてとても綺麗な水色の髪をなびかせている、とても可愛いルーシャが居て、一瞬ドキッとして、思わず――
「綺麗だな・・・」
と言ってしまった。そしてルーシャは・・・
「え、あ、有り、難う」
と顔を真っ赤にして照れていた。そして数秒の沈黙が訪れ、それを破ったのはルーシャだった。
「そ、その、ユキト。オークのコアを回収して速く帰ろう?」
「え、あ、うん。そうだね、速く回収して帰ろう」
――そして帰り道――
「ねぇ、ユキト。さっきの魔法は何?」
「さっきの魔法?」
「そう、さっき使ってた雷や雨を降らせた魔法」
「あ、あれは・・・うん、もう少ししたら話すよ」
「本当?約束する?」
「ああ、約束するよ。何時かその時が来たらきっと話すよ」
「ふふ、有り難う」
「ん、どういたしまして」
そんなことを話ながら二人は帰って行った――
読んでくれた方、有り難う御座いました!
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