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魔導界ルスアンディ  作者: シグマ
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 老師のいえ。

 問題を出した老師の家の前にいた。

 シグマとラナは何が起きたのかわからないまま、老師の目の間に座っていた。その隣になぜか見たこともない少女が座っていた。

「ホホ 目が覚めてから1時間も経過しておらぬがな、さて今後の計画を立てようかの」

 と、老師がすでに考えがあるかのように隣の少女に目を背けた。少女は待っていましたーと言わんばかりに口を開けた。そこに、ラナの奇襲が迫った。

「どうして! 主人のとなりにいるの!?」

 ビューンとジェット機のように真っ直ぐに少女に頭突き(ダイレクトアタック)をかわしつつ、少女に文句を言っていた。

 ラナにとっては老師は主人であり絶対的な信頼です・・・的なこともあるため、絶対的なポジションを奪われたくないのだ。そんな衝動がらなの心を揺らしていた。

「な、なんだコイツ! おい、離せ!」

 ぐいっとラナの頭を握る。逆にラナは少女の服を口で噛みつつ両手で掴みながら離れてやるもんかと言わんばかりに掴みかかっていた。

「ゆるさぬ! わたしの愛しい人の隣に座る未熟が」

「未熟って・・・私は未熟じゃないぞ! ま、まだ使い魔がいない半人前だが決して未熟じゃないからな!」

「ホホ 若いっていいもんだい。わしもあの頃は――――」

 老師の若い頃の話をし始めた。長くなる。老人は話をすると1時間たってもやめようとしない。それどころかいつのまにかループしていることもある。

「老人! 計画とやらを聞かせてくれ、それと、こいつをとってくれ!」

 それを止めたのはラナと一生懸命に離そうとしていた少女だった。

「老人と呼ぶな! 老師様と呼べ。それに、私はコイツじゃない! ラナという立派な名があるわ! お前こそ、汚い尻をどかせ! そこはわたしの席だ!」

「汚い尻だと!? それにお前じゃない! 私の名はエレナ! これでも魔法学校の優等生なのよ! あなたのような小さな子供が老師の隣に座るなんて10年早いわ!」

「子供じゃないわよ! これでも、今年で116歳になるのよ!」

 と、ここで周囲が冷たい息で固まった。

 聞き間違いかな・・・116なんて?

「116歳よ。ちなみに精霊様は今年で1180歳になるのよ!」

 驚きの証言だ。そこにエレナが更なる驚きの言葉を発した。

「ババアかよ!」

「前言撤回せよ!」

 ラナとエレナがもう子供同士の喧嘩のように思えてきた。

 それを見ていた老師が「ホホ 面白いな若者は、わしもあと30年幼かったらこの話に乗れたのに・・・」

 老師は老師で残念そうにがっくりとしていた。


 ラナとエレナの位置を変えてもらったあと、話が再開した。

「私の名はいったわよね」

「ええ」

 隣に女の子とはすこし落ち着かないが、マージョナと一緒にいた事もあって耐性はあるが同い年に近いと感じるとどうもおつかない感じである。

「じゃあ、あなたの名前、教えて!」

「あ、はい。僕の名はシグマといいます」

「シグマね、よろしく!」

 右手を出し出してきた。どうやら握手のようだ。その手を握ろうとすると思いっきり握ろうとした左手を平叩いた。

「よろしくね、シグマ」

 エレナの表情からなにか怒りの炎がまだ消えていないように見えた。先ほどの話からしてエレナは使い魔を探しにここに来たようだ。シグマに敵意を見せるのはおかしい話なのだが、使い魔がぼくについているという点に目を向けて怒りを見せているのかもしれない。ラナは老師の使いまであって、ぼくの使い魔ではないと訂正したいのだが、先程の行為からして、いまはエレナの熱が冷めるのを待ってからにしたほうがいいと悟った。

 それにしても、ラナの服装が・・・エレナに散々引っかかれたであろう服はボロボロになっていた。

 ラナの喧嘩で服は伸び放題、髪は荒れ放題になっているエレナは不機嫌になっていた。

「計画というのはな・・・ラナ、シグマ。ソナタたちが協力して、エレナの使い魔を探しに行ってはくれぬか?」

 と、鋭い火花がラナとエレナの中で走った。

 シグマは手を挙げ、「使い魔探しだけの目的じゃないですよね」と、額に汗をかきながら老師に尋ねた。

「ホホ まあ、その通りだ。」

(・・・やっぱり)

「ホホ まあ、そうじゃなマージャルの依頼でもある」

 マージャルという発言にシグマが椅子から飛び上がる。

「ホホ やはりマージョナのことが気になるようじゃな、まあ、いい話を進めよう」

 ゆっくりと椅子に腰掛けつつ無言で机の上に両手を組む。

「付き合っているのかしら?」

「どうでしょ、あの年頃ならやりかねないわ」

 は、ラナとエレナの会話が聞こえた。いつのまにかそんなにも仲良くになったのかとツッコミを入れたかったが、これ以上話を絡むと後が大変なので、無視した。

「ホホ 依頼というのはマージョナからなんじゃよ。 西にあるコルトスという町にな、精霊や魔物を扱う使い魔屋が来るのじゃ。

 そこで、シグマたちに使い魔を2~4体ほど探してきてほしいのじゃ。マージョナからの依頼じゃ。ひとりではお店が大変だとな」

 再び立ち上がる。

「ホホ 大丈夫じゃ。シグマはマージョナから伝言を受けた割っておる。それと、その指輪についてわしからアドバイスを送っておこう。」


 支度があるからと、ラナとエレナは先に準備を済ますように老人がラナへと伝えた。エレナとラナという争いの火花が残されたことはよかったのかどうか気にかけるところだ。

 老師の家は2階建てで、地下に1階あった。地下は不明だが、2階にはラナと老師の個人部屋があり、キッチン、トイレ、風呂などがあり、廊下の奥には研究所と思わしき広々とした空間が広がっていた。

 そこは、老師個人で開発する新魔法から科学による新たな道具の取り組みだった。そこに置かれていたのはコーヒーパックと焼かんが置かれていた。

「マージョナから送られたのだが、使い道がよくわからんでな・・・」

 机の上には他にもシグマがいた世界<科学界>の物が散乱していた。

 貯金箱、鉛筆、消しゴム、電球、漫画数冊、コーヒーカップとパックのセット、ノートだった。壁に置かれていたものは冷蔵庫、テレビだった。

「それ、教えてあげましょうか」

「お、いいのか? ぜひ、教えてくれ!」

 目を輝かせながらシグマを見つめる。

 シグマは一個ずつ説明していく。

 まずは、「消しゴム。これは鉛筆というもので書いたものを消す為の道具ですよ」と説明すると、「ホホ この世界ではこの石でこすると消えるのじゃがな」と、見せてくれたのはガラス玉のようなビー玉のようなガラス製の球体だった。

 試してみると言わんばかりに老師が羽ペンでインクをつけたものを紙にかき、「よう見ておれ」と、ガラス玉をインクでなぞった上をこすると光の粒子となってインクが消えていった。

 シグマは驚いた。シグマも同じようにノートを取り出して、適当なページを開き鉛筆で適当な文字を書いて消しゴムをこすってみせた。

 すると、ゴムのようなものを生み出し、書いたはずの黒いものが消えていた。

 これに対して老師は関心し、世界は違えど訂正する道具はちゃんとあると褒めていた。シグマ自身が作ったわけじゃないのだが、科学界のものに褒められるのは嬉しいものだ。

「これはなんじゃ? なにかのアートに黒い穴がひとつだけあるように見えるのじゃが」

 手にしたものは貯金箱だった。アートといえば間違ってはいないが、科学界で置けるアニメキャラである。

 穴があいた箇所はお金を入れる場所だ。

 そのことを伝えると「金をいれて貯めるというものか。ホホ めずらしい。こちらの世界にはないものじゃ。ようは、この世界の住人みたいに体内で魔法を貯めるといったものに似ているということじゃな!」

「大抵はあっています」

 とだけ伝え、次のものへと目を向けた。

「これは? 本のようじゃが、なんと分厚くアートが溢れておるのう。それにしても、この人のような絵にでている泡のようなものはなんじゃ?」

 とったものは漫画だ。最新版が出たようだ。

 シグマにとってお気に入りの漫画だ。

「これは、漫画と言いまして、人が描いた物語を読むことができるものなんです」

 と、老師に説明した。

 ホホと老師は笑いながらその本を読み上げた。

 文化や言葉は違うはずだ。

「言葉わかるのですか?」

「ホホ そういえば言ってなかったの、マージョナはわしの友人でな、この本の文字も事前に教えてもらっておったのじゃ。いやーあのときは苦労した。一度も解析されていない文字を読みつつ、こちらの世界の言葉を探すのはなとても骨がおれたじゃ。けどな、この本はとても興味深い。各話において内容も描き型も違っておってな、それにセリフと思わしきものも、人から泡の中で書かれており、とても読みやすいのじゃ。

 毎回、送られてくるのは楽しみじゃったわい」

 と、老師はかつて親しみを持っていた友人を語るかのようにシグマにそう思いを馳せた。

「さて、あそこに置いてあるれいぞうこ、てれび とはなんじゃ?」

「冷蔵庫は――」

 箱の中で冷やして、食物や素材を冷やして保存するものですと説明すると「ホホ 便利じゃな、こちらじゃ氷の精霊を呼んで順分に冷やしてもらっておる。それそれはとても時間かかって利用料金も高い高いものじゃったわ。これは、便利じゃ、早速使いたいから説明してくれ」

 と、まるで子供が珍しいものに興味を抱いたような目をしていた。

「これはてれび? 黒い箱のなかになにがつまっておるのじゃ?」

 ここでは見れないはず。アンテナも電気もないはず。

 テレビの説明をすると老師もこの世界にてれびというものはあるという。

「箱はなんでもいいんじゃが、アンテナが厳しくての。使い魔の力を借りて電波を運んでもらい箱の中で貯めてもらうんじゃ、箱の入口あたりに水で覆い、その水に映った映像を見るのじゃ。しかし、このてれびというのは非常に便利じゃ。今度、アンテナを引いてもらい、早速と見ようとしようかの」

 老師はもう興奮が抑えきれない様まで達していた。どの部屋にものをおくべきかどんなときに使うべきか、どんな方法で設置するのか楽しみで楽しみで仕方がない様子にシグマはついつい一緒に笑ってしまっていた。

 最初に出会った時はおっかない顔をしており、問題もいきなりだしたりとわからない事だらけだったが、科学界の物やマージョナの話も聞いて、少しホッとしていた。


「さて、本題じゃが」


 ぴくと止め、老師はいった。


「お主にだけ頼みたい依頼じゃ! あの2人には使い魔を頼んだが、男だけの約束としてハーレムを買ってくれぬか?」

「は?」

「いや、こんな興味深いものがあっての、それにラナもシグマについていくことにしておるし、少しだけの間なんじゃよ、ハーレムこっそりと探して来て欲しい。お金もやるから」

 さっきまでの老師とは別でエロの目に満ちた老師が目の前にいた。

「頼むからね ハーレム頼むよ」

「嫌です」

「お金は好き使っていいですから」

「自分で言ったらどうですか?」

「わしはラナがいるもん。バレたら焼豚にされるわい」

「だったら、ラナを説得して・・・」

「説得してきて・・・」

「ええ」

「お願い、このとおり」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・」

「・・・」




 結局、老師の頼みごとを聞くことにした。

 お金は8万ベル。この世界においてかなりの大金らしい。科学界で最新型のパソコンが8台変えるほどのお金だという。

 気が重いが、老師の頼みである“ハーレム”とやらを探しにいくのであった。



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