月曜日の終わり
さて、話も聞いたし帰るかな。
この程度の話だけでもお金って貰えるんだろうか。
最初は深く関わらないときめて学校の事を愚痴ったのに、情報収集して報告するなんてすごい関わってるな。
きれいな女性に弱いんだな。僕は。
「ねえ。そこの思い出し笑いしてるあんた」
誰だ。気持ち悪いな。思い出し笑いしてる奴。
「いやいや。あんただよ。何を辺りを見回してんの?」
他に誰もいないし、辺りを見回したのも僕だけだ。
「僕ですか?」
「そう。あんた」
なんてこった。けっこう恥ずかしいな。見られた相手が女子だし。
「いや。君を見て笑ったんだよ」
なんかごまかす為に変な事を言っちゃった!
「やだ。わたしの顔になんかついてる?」
「なんか肩にハエがのっかてて、使い魔かなんかだと思って」
「いやいや。蠅の魔王ベルゼブブじゃないんだから」
なんか言い出したな。この女子。
「まあ私はベルフェゴールのほうがタイプだけどね」
聞いてないよ。なんで悪魔トークに向かおうとしてるの?
「えっと。なんか僕に用だった?」
知らない女子と悪魔トークするなんて意味が分からない事を避けるために話を変えようと努力してみた。
「そうそう。あんたさ。悪魔とかに興味ない?」
努力が無駄になりましたとさ。
「わたし、オカルト部なんだけどね。ちょっと気合い入れすぎちゃって、部員を悪魔の生け贄にしようとしてさ……それで部員が足りないの!! オカルト部が廃部になっちゃうの! 助けて!」
部員に何したの!?
「な、なんで僕を誘ったんですか?」
「あんた七不思議を調べてるんでしょ? あんたの友達にお願いされたのよ。あんたに七不思議を教えてやってくれって。ついでに部活に勧誘してもいいって」
「そいつって六重って名前?」
「そうそう。六重って人」
あいつ。調べないって僕は言ったのに!
「いや。これ以上は調べません」
「うん。そうは言ってもジュースを奢って貰ったからさ。話して聞かせろって。無理矢理でもさ」
「あー聞こえない聞こえない」
六重には後でしっぺを食らわせよう。しっぺ返し的な感じで。
「私の知ってる七不思議の一つ。この学校で白いワンピースの女性がでるらしいんだけどさ。在庫過多なので、とか言ってカップラーメンを渡されるんだって」
「何それ? そのカップラーメンを食べると死んだりとかするの?」
「普通に美味しい豚骨ラーメンだって。ただパッケージがどこの会社の物か分からないらしいけど」
その話ぶりからすると貰って食べた猛者がいるのか……
「じゃあ続いての七不思議はまた会った時にね!」
「えっちょ……」
走り去っていく彼女。
名前を聞くの忘れた。
鈴木(仮)で覚えておこう。
寮に帰って六重にしっぺした後にベットで眠りにつく。
全ての不思議を知ったときに狂ってしまう七不思議。
そんな不気味な七不思議があるなんて知らなかったな。
僕が知らない事なんてたくさんあるんだな……
ボチボチと調べていこう。
お金の為に。