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真っ黒な本と金色の光……
私の名は夜霧かすみ。名字の読み方はよぎり、です。変わった名前だねと言われる事が多いです。
いえ、それは置いといて。
趣味も読書なら特技も読書な私はごく普通の中学校の図書委員。委員の仕事が無くても毎日図書室には来ています。そして今、やっと一冊の本を読み終えたところです。次の本を探さなくては。
……何ですか、これは。
背表紙、表紙、裏表紙…全てが真っ黒。タイトルすら書かれていないこの怪しげな本に、何故か私は惹かれてしまったのです。それは多分、人には意外と言われるオカルト好きの関係もあるのでしょう。
興味が沸いた私は、その本を開いてみました。すると、金色の光が辺りを、私を包み込んで________。
気がついた時には、私は空飛ぶ箒が飛び交う世界に佇んでいました。
これが、私の長い長い魔法界旅行の幕開けとなりました。