2/11
第2章 俺たちの芸術の興隆 『なぜ俺たちの芸術がいま起らねばならないか』
そのむかし、俺たちのご先祖たちは、貧しくてもそれなりに楽しく生きていた。そこには、芸術も宗教もあった。
しかし、今の俺たちの前にはただただ労働と生存があるだけだ。
神様の教えは、科学の理屈に置き換えられ、しかもその科学は冷たくて暗い。
芸術は私たちのもとを離れ、金儲けの道具へと堕落した。
今の政治家や芸術家や宗教家は、これが真実だとか、これが正しいとか、これが美しいとか、みな勝手なことを言うが、結局のところ金儲けが目的なんだろう?
俺たちはそれを買えるだけの金など持ってないし、第一、そんなものを必要としない。
今こそ俺たちは、自ら新しく正しい道を進んで、私たち自身の美を創り上げよう。
この単純で、無機質で、灰色な労働の毎日を、芸術の力で燃やそう。ここには、絶え間なく、潔く、楽しい創造の日々がある。
仲間たちよ、ここへ来て一緒につながろう。世界のみんな、俺たちは何の敵意も下心も持っていない。だから俺たちを受け入れてくれ。