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存在の理由  作者: りす
第九章 空へ
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探し物

 病室の中、優希はゆっくりと顔をあげた。

 目の前のベッドが、もぬけの殻だと気付いて、目をしばたかせた後、立ち上がる。

 その勢いで、椅子が倒れて、大きな音をたてた。

 優希は、かまうことなく扉に向かうと、これまた勢いよく扉を開けた。

「探し物か?」

 扉の前に立っていた雅樹が、笑いを堪えるようにしながら言った。

 先ほどからの優希の反応を、外で笑っていたのだと気付いて、優希はむっとした顔になった後、

「ええ、とても世話の焼けるもの」

 と、すぐに柔らかい笑顔を作り、

「また、わたしを置いていなくなった」

 と、頬を膨らませる。

 その様子を、雅樹の真っ直ぐな瞳が優しく見つめていた。

 この眼差しを知っている。と、彼からの告白を思い出して、優希は顔を赤く染める。

「どうした、変な夢でも見たか?」

「夢?」

 優希は、昨日、病院で目が覚めるまでの間の記憶がおかしいことを思い出す。

「うん、……とても長い夢を、見ていた気がするけど……」

 眉間に皺を寄せて考え始める優希に、

「神楽が待ってる」

 と、雅樹が告げた。

 優希の顔が、ぱっと輝く。

 その言葉で、優希には彼の居場所がはっきりと分かった。

「ありがとう」

 と、雅樹に背を向けて、廊下を走り出しながら優希は考える。

 でも、あれは、変な夢を見る前の出来事ではなかったかと……。

 そのことに気付いて足を止め、振り返った先に、雅樹の姿は無かった。

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