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人工太陽  作者: 流 琢弥
3/3

白の章

十五夜

------

月に向かって手を挙げる。

ーーいつからそこに居たのか?

呟くように影が答える。

ーーあなたのことですか?



黙れ!

------

朝がいっせいに歌い出す

次の誕生日を思い出す

なぜ生まれてきてしまったか?

いつまで生きていられるか?


目覚める寸前、頭の中で

あらゆる言葉が響きあう

全ての他人がうるさいまでに

おまえの脳にこだまする


自分の服ももうわからないほど

果たして誰のどの国だったか

時計は動いていないのか


ふと目を覚ました途端に

声など聞こえず覚えていない

時計はうるさく鳴っている



昼寝

----

金色の午後の風を紡いで

物語をつくるあなたの横で

身軽な黒猫が駆け出すように

わたしは夢を追いかけている



祭壇

----

僕の毎日が

ばりばりと音を立てて喰われる

僕の親指が

ひりひりと君を指して震える


やわらかい星の軌道には

小さな白い蝶々たち

葬られた花の蜜を集めて

夢の亡骸を慈しむ


酔い心地が醒めると共に

次第に蘇る苦痛の感覚

影の半分が既に無い


僕が腹を立てて殴りかかる度に

僕の破片が白い星のように散っていく

色ガラスより脆く輝きながら



卓上噴水

--------

君の心が白紙のままなら

愛の言葉で埋めつくそう

君が心をひらいたときに

愛が噴き上げてくるように



まぼろし

--------

僕はさよならをくしゃくしゃと丸めて

いちばん深い海へ投げ捨てたのに

夜毎の波間に白い影が

現れては僕に手招きするのだ

月明かりの下でうっすらと

あの時のように微笑んで

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