表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人工太陽  作者: 流 琢弥
2/3

青の章

午後

----

僕の中を僕の影が過ぎるように

太陽をいま雲が横切る

生暖かくつらい日射し

長い廊下を駆け抜ける手足

青空へ出るとき

あるがままにと望む

甘い復讐

ありふれた夢

笑わない鏡

曲がりくねる階段

登り詰めた剣は龍となり

夜の破壊と建設とを営み

命令だ 優雅に暮らすこと

生き延びること

それでは珈琲を一杯

全てはここから始まる


--

別に自慢できるほど

ギターが巧いわけでもないが

涙が海に届くまで

君に悲しみが降り積もるなら

僕は傍に居て

君のために歌おう

ウヰスキイのボトルを置いて

空の月が笑い出すまで


--

私に向かって風が吹く

炎を貫く矢のように

水晶を包む光のように

私の中を風が吹く


私の中の風に訊く

何処から来て何処へ行く?

風は笑って吹き過ぎるだけ

水面の影を揺らすだけ


風の隣に来て座る

まだ夜明け前のかじかむ手足

飛び立てる時を待っている


朝が一斉に立ち上がる

光に向かって両手を挙げる

黒い翼に風よ、吹け!


あい

----

夏の海岸に広げて置いた

僕のスケッチブックの中に

あなたが微笑む瞳の色を

僕は忘れてきてしまったので

あいというものがどんな色だか

どうしても思い出せずにいます


宝物

----

背丈は僕の半分もないくせに

髪の毛は僕の3倍よりもまだ長い

この幼い美しい少女が

太陽を2つ並べたみたいに

目を輝かせて見詰めているのが

ごく安っぽい玩具

僕の煙草銭で3つは買えるほどの。


なつ

----

そらあおぐきみのわくわく

ふりかえるしじまのふかさ

なつはちへいせんをじくにして

とんぼかえりしてみせる


会話

----

君が見ていたのと同じものが

僕にも見えているつもりだったけれど

君には作り笑顔のはずだったのが

僕には真似ができなくて

君が困ってしまってわあわあ泣く真似をしてみせても

僕は一緒になって泣いてしまうことができずにいたから

君はもう僕の側には居ないのに

僕はいつまでも君の側に居るつもりだった

まだ鏡を持ち歩かなかった日々

あの嵐がやってくるまでは

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ