そこまで言うのであれば、結婚して差し上げましてよ!
「ふんっ! そこまで言うのであれば、結婚して差し上げましてよ!」
僕の愛しい人は、いわゆるツンデレだ。
兎にも角にも斜め上なことを言う。
一緒にデビュタントボールに参加しているくせに、婚約者でも恋人でもないのかと友人たちに揶揄われ、あぁまたかと溜め息を吐いたときだった。
カサンドラが足を肩幅に開き、左手は腰に、右手で真っ赤な髪をバサァッと後ろに靡かせたあと、僕をビシィッと指差し、やや仰け反りながらそう言った。
聞き間違いじゃない。僕と結婚して差し上げるらしい。
「え? いいの? うん、喜んで」
小さいころからずっと告白してたんだけど、なんでか伝わらないし、彼女の両親に婚約を申し込んでも『カサンドラが嫌だと……』と断られ続ける日々。
顔を真っ赤にして、好きじゃないわ! なんて叫んでいるのは、明らかに僕のこと好きだと思うんだけどね?
まぁ、結婚という形でなくてもいいかと、側に居続けることを選んだ──んだけど。
まさか逆プロポーズとは。
「なななななななななんでそんなに軽△#✕@!?」
「うん? ごめん、聞き取れなかったや」
ビシィッと僕を指差していたはずの右手が、ふるふると震えながら引っ込められそうだったので、逃げられないように掴んだ。
いつも内ポケットに隠し入れている指輪を取り出し、カサンドラの右手の薬指に嵌める。
「なんで持ってるんだよ……」
僕たちを結びつける一言を放ってくれた友人が呆れ顔をしていた。
なんでって、カサンドラはいつ墓穴を掘るか分からないじゃないか。いつでもどこでも捕まえられるように持っておくのは当たり前だろう?
────逃さないよ?
fin
ちょいと企画で書いた短編になります。
もうすぐ?ジューンブライドだよねってことで。
ブクマや評価などしていただけますと、笛路が大喜びからの小躍りカマしますヽ(=´▽`=)ノひゃほぉい




