約束
「大きくなったら結婚しような」
無邪気な笑顔で私に言った君は
同じ口で残酷な言葉を述べた。
「俺、今度結婚するんだ」
昔と変わらない無邪気な笑顔で
幸せそうに言った君の言葉に
私はただ笑って
「おめでと」
と言うだけだった。
昔から好きで好きで堪らなかった君は
呆気なく彼女が出来てしまった。
いつだったか
「なんでお前って付き合っても長続きしねぇの?」
そう君に聞かれたことが合った。
「さぁ、何でだろうね…」
本当は私はいつも君の面影を追って
君と声が似てる人とか
仕草が似てる人とか
背が同じぐらいの人とか
そんな人と付き合っていた
でも、やっぱり君と違うから
どうしても長続きしない。
本当は君が好きなの
お願いだから私を見てよ
嫉妬で狂いそうになったこともあった。
君以外を愛せない私は
一人で泣くことしかできなかった。
だけど君の愛している人は私ではないから
ただ笑って祝福の言葉を並べるしかなかった
もう、辞めよう。
昔の約束に縋っているのは。
だけどいつか本当に2人の事を祝福出来るまでは
君を想って泣く私を許してほしい。
いつかきっと本心から貴方を祝福するから――――――――。