◆暗黒竜とサイクロプス
石棺があった空間の先に進むと小さな川が流れていた。 その水は透明で、どうやら鍾乳石から滴り落ちる水が集まったもののようだった。
「これで、飲み水の心配はなくなったな」
さらに先に進むとそこが大きな鍾乳洞であることも分かった。 比較的大きな空間には鍾乳石や水晶、魔道石などの鉱物も多く見られる。
しばらく進むと、ドスン、ドスンという地響きがする。
「魔物か?」 アレフは慎重に歩みを進める。
ヘクチッ 後ろからついて来る女がクシャミをする。
ビクッ
「おいっ! ・・・ 急にびっくりするじゃねーか」
「すびません・・」
ここで、アレフはまだ女の名前を知らないことに気づく。
「ところで、アンタ。 なまえはなんて言うんだ?」
「なまえ・・ですか」
「俺はアレフだ。 いくらなんでも、なまえくらいは あるだろ?」
「えーとっ 人には暗黒竜と呼ばれていました」
「なんだと。 この先に魔物がいそうな状況で冗談はよせ!」
「冗談ではありあせん。 いまの体は石棺に封じ込められた時のサイズです。 本来の姿ならこの洞窟の中には収まりきれません」
「マジか? おまえがもし本当に暗黒竜なら、俺を喰わないでくれよな」
「命の恩人にそんな酷いことはしませんよ」
「しかしなぁ・・ 暗黒竜なんて物騒な なまえ で呼べないし、なんか自分で良いなまえを考えろよ」
「・・・」 女(暗黒竜)は、しばらく考えていたが。
「それでは、ティナとお呼びください」 と照れながら言った。
「ほぉ・・ また随分かわいらしい なまえ を考えたもんだな」
「暗黒竜の雌は、この世界に数匹しかいない希少な存在です。 アレフ様は本当にラッキーな体験をなさっているのです」
ティナは照れ隠しのため、少し話題を変えた。
「おっと やはりこの先に何かいるな!」 アレフは大きな鍾乳石の陰に動くものを捉えた。
「あれは、サイクロプスですね。 レベルは150程度です」
ティナはドヤ顔で言うが、アレフの後ろにいるため、アレフはその顔に気づかない。
「レベルは低いが、体がでかいから戦い辛い相手だ。 油断しているとあのこん棒で叩き潰されるぞ!」
「ここは、わたしに任せてください」
そう言うとティナは、サイクロプスの前に躍り出た。
グガゥゥ
サイクロプスは、赤いひとつ目でギロリとティナを睨みつけ、手に持った巨大なこん棒を振り上げた。
それが勢いよく振り下ろされたかと思ったが、その片腕は肩からざっくりと切断され、サイクロプスは激痛のあまり、大声をあげながら転げ回った。
「なんだ今のは・・・ 攻撃がまったく見えなかったぞ!」
サイクロプスは、やがてノロノロと起き上がったが、次の瞬間にはその厚い胸板にぽっかりと大きな穴があき、ドゥッと倒れ込んだ。
「アレクどうですか? わたし強いでしょう」 ティナは、またしてもドヤ顔でアレクを見てくる。
「ああ、すげぇよ。 でもお前を封印したやつはもっとすごいってことだな」
「それは違いますよ! あれは明らかに不意打ちですもの。 卑怯な人間どもは絶対に許せません!」
ティナは暗黒竜の目でアレクを睨んで来る。
「あーー それはおれじゃないからな。 勘違いするなよ」
アレクは平然を装うが、暗黒竜の殺気を含んだ眼光には、流石に恐怖を感じていた。
そして、ティナとは絶対に揉め事にならないようにしようと心に誓うのであった。
***
おまけ
「ねぇアレク。 AIに書かせた小説の方が面白い気がするわ」
「・・・ そ・・そうかな?」
「うん、語彙力もあるし、絶対にそうよ。 前後の流れも完璧だし」
「オワタ・・」




