興味深い
夜会から数日後、晴れた日に廊下を歩いていると、前からリディアが歩いてきた。
何を話しかけようかな。
そう思いながら、リディアとの距離が近づいていく。
すれ違うタイミングの時、話しかけようと立ち止まると
リディアはお辞儀をしてにこりと笑い、俺の横を通り過ぎて行った。
通り過ぎるリディアの後姿を眺めていると、少し向こうにアルフレッドが歩いているのが見えた。
リディアはアルフレッドににこやかに話しかける。
会話はここからでは聞こえないが、二人はとても楽しそうだ。
ふーん
面白くないな。
二人の姿を見ていると、リディアは中庭の方をじっと見ていた。
アルフレッドはさっきまでリディアから視線を逸らさなかったのに、リディアと視線が合わないことを感じると、リディアの視線の先をちらっと見た。
中庭の奥では、イザベラが複数の令嬢から囲まれ、責められているのが遠くからでもわかる。
今までは逆だったのにな。
とその光景を見ながら、ふん。と鼻で笑った。
バタバタ
と足音が聞こえると、アルフレッドはイザベラのもとへ走っていくのが見えた。
アルフレッドはそういった曲がったことが大嫌いだからな。
見逃すことはできないだろうな。
そんなことを思いながらリディアを見ると、にこりと笑ってアルフレッドを見た後、こちら側に戻ってくるように歩き出した。
俺もリディアの方向に歩きだし、すれ違いざまに
「アルフレッドが行ってしまってさみしいか?」
挑発するように、少し笑いながら話しかけると、リディアはいつもと同じ笑顔でにこりと笑って軽く会釈をして、去っていった。
彼女は何をしている?俺たちのことなど、まるで眼中にない。
俺の隣をすり抜けていく彼女の冷たさに、俺は思わずその場に立ち尽くした。
あの笑顔は、まるで、この場にいる誰にも語りかけられていないかのようだ。
興味深い。本当に、興味深い。




