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ここは王宮内の侍従棟。
もうここに住んでしばらくになる。
鏡の前に立ち、いつものように髪の一束も落ちてこないように結び、鏡ににこりと笑顔を作る。
身だしなみを整える。
「おはようございます」
クラウスさんが私の顔を見て優しく笑い、ビシッと姿勢を正す。
「おはようございます」
私はいつものようにお辞儀をして挨拶を返す。
エスコートするようにクラウスさんが扉を開けてくれる。
それがはじまりの合図。
いつもと同じスタート。
これで最後にしたい。
意気込んで扉を通る際に、ふと、クラウスさんが
「もうすぐ咲きそうですね。」
私は慌てて花壇に向かった。




