13
サロンでリディアを見つめていると、リディアはふと窓の外の中庭に目をやる。
中庭を見るとアベルが、いつものように東屋でくつろいでいた。
ふーん
面白くない。
夜会の時に、僕との挨拶もそこそこにアベルのもとに行った。
少し前もそうだ。庭園の前を通った時、東屋を見るとアベルと、イザベラ、そしてリディアの三人でお茶会をしていた。
僕は、リディアとろくに話すこともないのに。
「アルフレッド殿下、ギルベルト様、お待たせいたしました。」
紅茶を運ぶ主人公に珍しく話しかける。
「君は僕に興味ないの?」
リディアが僕を見る目には何も映っていない。
好意も、悪意も何もない。
「こうやってお話しできることを光栄に思います。」
リディアは僕の目を見て、にこりと笑った。
いつもそうだ、無下にせず、かかわりもせず、丁寧にかわす。
だから余計に入り込めない。
なのに、アベルとはお茶会までするのか?
下がろうとするリディアの手をつかみ、
「そうは言うが、アベルとはずいぶんと仲が良さそうじゃないか?」
「殿下。」
ギルベルトが止めに入るが、まっすぐにリディアの意見を待つ。
「うふふ、何もかも手にあるアルフレッド殿下も嫉妬をされるのですね。」
意地悪そうに笑うリディアに目を奪われ、掴んでいた手を離した。
「失礼します。」
お辞儀をして去るリディアを、止めることもできず、ただ見送る。
何もかも手の中にある?
今一番ほしい、君はその中にいないじゃないか。
どちらかというと、リディアの手の中に僕がいるのかもな。




