炎の爆走ガール
本小説をお読みいただきありがとうございます。
皆様の退屈しのぎなれば幸いです。
★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件・妖怪への解釈などにはいっさい関係ありません
「!!!アンタ先日あった妖だよね!!?久しぶり!アタシの相棒なのか!?これからよろしくね!!!アタシは火火って言うんだ♪」
ニッコニコで手をブンブン振り語り
「火火落ち着け、ビビってるからこいつ」
元気いっぱいな火火をなだめて、先日みた河童は眉をひそめれば向き直り
「コイツは見ての通り片輪車だそれも含めてよろしくなそれと....」
澪也が何かを語る前に前に火火は鈴丸を捕まえると
「よし、まずは見回り行ってくるね〜」
ルンルンで走り始め部屋を出て、それを見て澪也は眉をひそめ
「仕事の説明...いいんすかあれ?」
鳴雲に確認して
「まぁ、鈴丸は冷静だし大丈夫だろ。あいつも仕事だけはするから......仕事だけはな」
微妙な顔をして目をそらせば
「制御係として上手く機能するかな」
火花と炎を撒き散らして脚にある車輪を回転させれば、空を駆けていき
「どーよ!!?結構見回りもおもしろいでしょ!!!!?」
笑いながら言っている傍て小脇に抱えられた鈴丸は強風に悲鳴を上げていた
「いやなんも見えないですけど!!!!!」
強風で顔が歪めば何とかそう返して
「廻り組は見回りが主な仕事何ですか?」
「それだけじゃないよー事務処理や領内の管理、相談事、その解決もアタシら廻り組の仕事、荒事もあるけどねー
アタシは事務処理は苦手だけど」
テヘッと彼女がオチャラケれば、こちらも力強く頷き
「それは、凄く分かりますこの短時間でも」
共感していていると眼下から住民の一体が手を振り
「火火ちゃん、ちょっと来ておくれ」
「はーい」
急カーブをして手を振る妖の元へ向かい、用件を聞けば困り顔の雪女は首を傾げながらため息をつき
「ココ最近食べ物が枯渇しているのよ、山も川も最低限しか取れなくて、誰かが食べ散らかしてるのかしら?出来たら頭様に取り次いで頂きたいのだけど」
「いつから?」
「ざっと2週間くらい前からかね?」
「鈴丸はなんか感じた?」
意見を求められれば風で巻くし上がった体毛をドリルの様に身を振り整え、初日の試験後の山や川を思い出し見上げ
「たしかによく考えれば、ここに来た初日から数が少なかった気がします」
「そっかーとりあえず近場の山や川を見に行って実情把握しないと」
頭を掻きながらそう語れば、挨拶をし去ろうとする2体を見ながら笑いかけ
「それにしても新しい相棒?今度は可愛い組み合わせね頑張って」
と雪女は労っていた。周辺の川に向かえば本来妖怪の気まずいながらも彼は口を開く
「あのーその持ち方やめません僕歩けますけれど」
未だ小脇に抱えられた状態なため、言いずらそうに語り、その言葉を聞けばキョトンとするが川を眺めながら直ぐに否定した。
「むーり、だって距離遠すぎて会話とりずらいし
アタシより早く走れるの?」
「僕らは思念とばせるじゃないですか、四足獣舐めないでください」
「そーだけどさー」
「小脇に抱えるのだけはやめてください」
「じゃあ肩か頭乗って、それでお互い譲歩って事であと敬語も要らない」
沈黙の後、小脇から逃れ頭部に移動した鈴丸は渋い顔で定位置を決め受け入れた
水面の魚の数を覗き込み様子を伺っていて
「ホントにいないね、このままになったらシャレにならないし連絡入れよっか」
「ですね」
思念で鳴雲に連絡を回せば
「報告です鳴雲様」
「何だ?」
「実は__________」
「わかった至急探査範囲を補助する応援部隊を送る。お前たちは引き継ぎ探査に当たれ」
「承知しました。」
頷き思念を閉じれば火火と探索をし
他の川を辿り林や山に入っていき、見てみるが山菜や花虫や獣の数もやはり少なく
「ここもなしか〜手がかりっぽいのもない」
頭から降りて匂いを嗅ぐ鈴丸も首を傾げ
「普通妖力の残滓が残りそうなものなのに」
「鈴丸、次行こ!次!!」
更に違う林に向かっても綺麗に食料だけが残滓もなく消え去っていて
「ここもかよ!どんだけ食えば気が済むのよ!!!?」
「火火さん、少し落ち着いて」
あからさまにイラついている火火を鈴丸がなだめれば、大きく溜息をつき
「知り合いに食わなきゃいけけない妖怪がいるからついね」
「そうなんですか?」
「元相棒が二口女なの
親ぐらい歳が離れてたけど、良くしてもらったんだ」
「へえ」
「今は現役長かったから引退してる、本当にお母さん見たいな妖でさ」
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「コラ、独断専行してんじゃないわよ!!!」
突っ走る火火に追従しながら叫びいさめ
「なんかあった時は鳴雲様に連絡をし!!このアホ娘!!!」
報連相が出来ない火火を叱り
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「お世話になりっぱなしだったからせめて気兼ねなくくらして欲しいじゃない?」
明るく笑いかける彼女を見れば鈴丸は頷き
「そうだね、なら尚のこと急がないと」
気持ちを新たにして地道に残滓の捜索やしらみ潰しに力をかければある森で重くのしかかる声が聞こえ2体は耳をそばだたせ辺りを見回す
呻き声の様なものが響きわたり中々音源が探知しにくいが、身構え慎重に鈴丸は集中すれば森の中心の穴ぐらにそれがあると突き止めれば
「火火!南南東だ!!」
「任せろ!!!」
車輪を素早く回して火花を散らせれば、今までにないほどの勢いで進みあっという間に追いつけば、声の主を目の当たりにし
「これは...!」
「うっ!!」
火火が顔を顰めた先に、映るのはあたりのくえるものを器用に手とも足ともつかないものを使いながら食べる楕円形の巨大化した形状の上部にだけ髪のような体毛がある六足獣とも言えない何かがそこにおり
「なんだこの妖、とりあえず確保を....!!?」
「え?」
髪を振り乱す暴走妖怪は、素早く巨大な口で火火を捉え走り去って行った。あまりのことにに両者は呆気にとられた。
「マズイ!!!」
すぐさま追いかける
「ブァアアアア!!!!ブァアアアア!!!!」
ドンドン進んでいる暴走妖怪に身体をよじりながら
「この離せっつーの!!!!」
体をさらに燃え上がらせて反撃しようとするが
「!!!」
その隙を与えない様にそのまま気を倒す勢いで次々とぶつかっていき、反撃に手をこまいていたが、車輪を高速回転させることによりスポークの間に挟まった歯を多々割ってそのまま、拳で口内から暴走妖怪をで殴り飛ばすと追撃をしに向かえば。
火火の瞳に車輪の模様が浮かび上がり
「ふざけやがって」
睨みつけようとするが、瞬時に唾を吐きそに眼光を遮るその動作に思わず目を見張る
「奪眼を知っている!手練れの妖怪?サトリ?なら…………!」
次々と攻撃を畳み掛けていくが悉くいなされたり交わされていく
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「アンタはすぐ頭が血が上るからな、悪い癖よ」
愉快に笑いかける、ベージュの髪に珊瑚色の輝く耳飾りで火火に指摘している姿が脳裏をよぎる
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ポニーテールと腕から既宿った炎を広げれば林を大きく囲み。逃げ場を塞ぐとそのまま炎を溜めて強く起こして飽和攻撃を行い高火力で一気に削り切ろうとし
「はあっ!!!!」
攻撃を続けていたが、燃えたぎる炎の中かから体毛が飛び出て火火の胴体や腕を縛り上げ、目を疑っているうちに炎は背中の口に吸収されていき
「口が二つ?………この妖怪はまさか二口女…?」
動揺していると、ベージュの体毛の中に光るものが反射して見えそれが珊瑚色に輝き、胸騒ぎが確信となり彼女は愕然とし大きく開く二つの口を見て
「なんで!!どうしてこんな体に!!?」
必死に呼びかけても締め付けが強くなるばかりでろくな返事も聞けずにいて、その間も絶え間なくどちらかの口を使いあたりの食べ物を貪り続けている。
そのうち締め付けによりあたりに鈍い折れた音が響けばそのままは脱力し項垂れ
「どうりで、戦いづらいはずだよ」
口に運び込まれそうになった。
その瞬間、空気に割り込むように巨大なトラバサミが暴走妖怪の胴体齧り付き一気にあたり一面に真っ赤な血がへばり付き彼女は正気に戻った。
「火火さん!!!!まだ折れないで!!!僕がいますから!!!」
そんな声が遠方から急加速で近づいてくると
髪から放り出された彼女の襟を鈴丸は噛んでキャッチすれば、木を交互に飛び移りゆっくりと下ろし口から外すと走り出し
「待って鈴丸!!その妖は前の相棒なの!!!」
事態を何とか説明しようと火火が訴えれば、耳を文字通り向けながら
「分かった何とかしてみる!」
頷くと更に動きを加速させ、目を回させながら暴走妖怪に様々な角度で触れていき、麻痺を強めていく
対して追い詰められ、火火が作った炎の壁の近くまで後退した暴走妖怪は、二つある口を大きく広げ辺関係なく全てを吸引して食べ尽くそうとし、強風が発生すれば鈴丸は木に爪を立て何とか耐えていたが、ある瞬間で木の表皮が剥がれると同時に空に飛ばされて
「鈴丸!!!」
初対面時に体の軽さから飛ばされていた事を思い出せば、顔が青ざめて叫び
彼口元に吸い込まれる直前まで近づけば、妖力で巨大なトラバサミを出現させると両方の唇をトラバサミで縫うように挟み込み塞ぎ
「!!!!」
苦しそうに悶えながらも足が麻痺で動かせないため、そのまま痛みで大きな音を出して倒れ込み炎の壁に激突したことにより凄まじいダメージを負い、完全に再起不能となった。
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