表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

廻り組

本小説をお読みいただきありがとうございます。

皆様の退屈しのぎなれば幸いです。

★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件・妖怪への解釈などにはいっさい関係ありません


「後日、合格者はこちらから通知を出す。それまでは西領内で好きに過ごせ以上。解散」

鈴丸の他も試験を受けた後に全試験が終わり解散をして

妖怪達は各々領内の宿や山や川に散っていき鈴丸も慣れ親しんだ山の麓近くで


「お腹減ったな....でもここら辺にはあんまり食べる物なさそうだ。.....体がキツイ先に寝よう」身を丸め、眠りについた。



屋敷の中を歩いた鳴雲(なるぐも)はある1つの部屋にはいり深く頭を下げ御簾(みす)の前に腰を下ろした。

「以上が今回の受験者となります。頭様(かしらさま)

御簾(みす)の奥にこの西派閥を仕切る大妖怪の一角 頭様(かしらさま)と呼ばれる存在が腰を下ろしていて


「ありがとう、鳴雲(なるぐも)。君の目を通してよくわかったよ。今、私が与えた手形を辿ってそれ以外の素行も判断をしている

目欲しいのはざっと数体ってところかな?」

椅子の腕置きに手を置いて鋭い爪でリズムを取っている頭様が今回合格扱いの数を示し


「君のところで欲しい妖はいるかい?」

「では...」

「そうかいいね、ひだる神からも報告は私も聞いている意外と面白いかもね」



数日後小さな蜘蛛が合格者たちの前に現れた。

「すねこすりの鈴丸殿でお間違えはありませんか?」


「は、はい」

蜘蛛を前にして身を正した

「おめでとうございます。本件合格致しました。屋敷にご案内致します。」


「ありがとうございます!」


再び屋敷につけば、係のものから本物の松の手形を手に入れた鈴丸は、意気揚々と屋号組合(やごうくみあい)に赴いた

「凄いじゃない!鈴丸くん!これで晴れて本物の松の手形ね!」


溢れんばかりの目を輝かせ百目鬼(とどめき)が語る。

「じゃあ早速、籍の区割りの手続きをしましょう、一応この西派閥の役職的区割りを全て教えておくわね


まず

西派閥トップの階級[(かしら)]。大妖怪しか付けない役職であり前任者の任意か打破したものしか次代にはなれないわ

まぁ、実質的に中々そんな存在いないけどね?私たちは頭様(かしらさま)とお呼びしているわ。 ほかの派閥ではそれぞれ呼び方が違うみたい


次に[名代(みょうだい)]。頭の補佐や領地運営の割り振りや指示をしていて、頭様に何かあった際に代理を行う方ね。この役職も大妖怪である場合が多いわ


その次に[八看板(はちかんばん)]大幹部の役職よ。一枚目から八枚目まで、それぞれ他陣営からみた影響力で着任しているわ。


そしてその更に下が[松の手形]。君たちね、各八看板(はちかんばん)に割り振られた部下の総称でありこの陣営の運営と、治安維持、実働部隊も兼ねられてるわ

実はこの屋号組合(やごうくみあい)八看板(はちかんばん)率いる組織の部門だから私も同じ松の手形の一体よ


そして、その中でも新任である貴方はこれからしばらく[顔見世(かおみせ)]と呼ばれる」


顔見世(かおみせ).....」


「研修者ね。実務も行いながら練成過程をしてもらうことになるわ頑張って」

ニコニコと応援する百目鬼(とどめき)に鈴丸は押されながら頷くしか無かった


「その下が[竹の手形]と[梅の手形]この2つは区分が違うだけで特にどちらが上か下かは無いわね


竹の手形は、商売を行うことも許諾する手形

梅の手形は、商売はせず領内で暮らす者の手形よ

何方も私たちが守らなくてはいけない頭様(かしらさま)の庇護下のもの達よ

分け隔てなくね?


そしてついさっきまで、君がなっていた立場が[仮手形]。庇護下に入れるかどうか審査中の立場よ各手形に仮手形がいて、すんなり入れるものもいれば色々な理由で弾かれ西派閥に入れなくなってしまう者もいるわ

この仮手形は領地には入れるけど防衛は自分ですることになる。

管轄としては屋号組合(やごうくみあい)の仕事だから


派閥に入った者は領民と言う区分になり、それぞれ宿舎か個人宅か自然か住む場所の希望が此処で出せるわ

ただし、建物はそれが必要な妖怪が最優先となるわ説明は以上よ。質問はあるかしら?」


立て続けに説明されたが何とか聞き終え、頭を思いっきり縦に振ると住まいを決め出勤に備えた


「何から何までありがとうございました、あの百目鬼(とどめき)さんお名前は?」



(ひとみ)よ?改めて宜しくね鈴丸くん」


「はい、これからもよろしくお願いします瞳さんじゃあ行ってきます」

かけていく鈴丸を瞳は笑顔で見送れば、ため息を着き

「若いっていいわねー」

とシミジミし当たりを見回せば

「ほら次!!さっさとおし!」

以外にも他のものには案外手厳しく、どんどん領民を捌いていき


一方の鈴丸は、手形を見てもらい配属先へ向かえばその扉の前で身がすくみ狼狽していた


「いや、確かに第一志望だけど!!?此処が配属先!!?」

その立て看板にはデカデカと[廻り組(まわりぐみ)]の文字が記されていて、鈴丸はこの領内に来た初日の光景を思い出していた。組織の花形であり実働鎮圧部隊に配属という自体を目の前に頭がパニックとなっていて


「? 入らんのけ?」

背後から聞こえる言葉に思わず振り返れば、目の前に浮遊する布が現れ


「ばぁ。」

「わー!!!!」

「アハハ、驚いた妖怪初めて見たのー」

鹿児島弁を語るその布はケタケタに笑って、鈴丸を眺めた


「......もしかして一反木綿さんですか?」

「 おぉ、()っちょっか!!?そうだ(おい)は一反木綿だ。名前は織久(おりひさ)()よろしくな。鈴丸!!」


その言葉にびっくりすれば

「な、なんで俺の名前を」

「? 有名じゃねか?廻り組に()っ前から(すば)とった妖を捕まえたんだって」

白容裔(しろうねり)を捕まえて渡した噂が、瞬く間に全体に拡がっていたらしく思わず身震いをし


ふよふよと漂う穏やかな織久(おりひさ)にどう説明しようか考えあぐねていれば、彼はさっさと扉を開けてしまい。


「 立ち話もなんだし、ずーず入ってしまえ。みんな()(わろ)だぞ 」


鈴丸をすくい上げ中に入ってしまえば、かなりの数の妖怪たちが一同に会していて


織久(おりひさ)さん!久しぶりあれその妖は?」

「廻り組の顔見世、すねこすりの鈴丸だ」


と語れば1番前につくと待っていた鳴雲(なるぐも)が不貞腐れた面で織久(おりひさ)と鈴丸を見て近寄った。

「なーに勝手に紹介してんだよ!俺の部下だぞ」

()()り、入り口で何時(いっ)(ずい)もウロウロしとったから、キリなくて思わず無理(むい)やり連れっきたんだよ

仕事(しごっ)取るつもいじゃね


なら、あとは頼んだ。じゃーなまた(あそ)っに来るわ〜 」


鳴雲に鈴丸を渡せば、皆に手を振りながらふよふよと飛んでいき部屋を出ていき

「はぁー改めて挨拶してくれ」

「僕は新しく入った顔見世(かおみせ)の鈴丸と言いますよろしくお願いします」

「……………」

今ままで散々奇異や嘲りの目で見られてきたためどんな反応されるのかと内心ドキドキしていれば


「おお!!」

「あの、白容裔(しろうねり)退治したやつか!よくやったな、これからよろしくな」


予想以上に好感触に思わず顔を上げれば、今までの目の色と違う様に思わず照れ臭くなり、前足で顔を擦り鳴雲に礼を言って背から降りれば、鳴雲(なるぐも)褐色(かちいろ)と白で模様が書かれた服と配属先を告げられる。


「これが配属服で配属先は5班だ。お前はもう廻り組の一員だ下手な争いすんなよ?」


「はい…!!!」

憧れていた褐色(かちいろ)と白の服をに目を輝かせ頷くと手招きをする5班の面々に近寄ると、先日あった河童がおり


「宜しくな顔見世(かおみせ)!俺は河童の澪也(みおや)だ、なんでもわからないこと聞いてくれ。それでほかのメンツは………」

と言いかけると窓が割れる音と共に


「おりゃーーー!!!!」

空亡(そらなき)と一緒に先日の赤髪の片輪車(かたわぐるま)が突っ込んできて、唖然と見上げるする鈴丸、頭を抱える澪也(みおや)、無表情の鳴雲(なるぐも)空亡(そらなき)が壁に叩きつけられ、飛び散る肉体に体液で汚れていく


「勝った〜♪♪」

周りの冷めた目線とは対照的にスッキリした面持ちでガッツポーズをしていて、鳴雲(なるぐも)がワナワナし始め辺りに電気がほどばしれば


火火(かほ)!!!!」

激怒し叱責をし始め、一方で澪也(みおや)が息を吐きながら申し訳なさそうに鈴丸をみて説明し始める


「俺ら班は基本的に集団で動くが、見回りや最低限度で任務をこなさなければならない場合は

最小人数の二人一組になるんだ、そしてあそこで鳴雲(なるぐも)様に烈火の如く怒られているのが、お前のこれからの相棒。片輪車(かたわぐるま)火火(かほ)だ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ