序
はじめましてORどぉもです。銃です。
銃と書いて「チャカ」と読ませます。
ネット友人に「とりあえず完結したし広めてみたら?」と言われ広めてみる事にしました。
文才ない上に処女作ですのでぼろぼろです。脈絡全くありません。
(読み返してはじめと登場人物性格違うと致命的な誤りに気づき慌てた程です。)
とりあえず3部作になる予定のものの第一部です。
ふぅんと流していただければ幸いです。
(そして投稿方法が上手くいっているのかハラハラです。
システムがいまいちわかりません。)
ではでは…。
銃.
追伸…ちなみに表紙付けるとしたら自分のイメージはこんなんです。
序
何処までも何処までも続く果てのない無生の砂原。
暝く暝く洞のように深い無光の天空。
白と黒が織りなす絶対世界。
それはとても美しいようで、とても寂しく、とても残酷だった…。
時折砂地に顔をのぞかせる岩切れも、死の匂いすら感じられない程にその世界の無を吸い
込んでしまっている…。
………………ちり……………。
「大丈夫か?……くるり。
先程もよく眠れなかったのだろう?」
前を往く「露歩き」がゆるりとこちらを振り返った。
「…ん……へいき。…ねむいのは、へいき…。
でも、ちょっとこあくて……。」
本当はちょっとどころじゃ全然なかった。足の先から指の先、瞳の中まで揺れていた。
どうにかなってしまいそうだった。
「怖いィ?」
前を往く「縁」の二人が同時に声をあげ、笑いながらこちらを振り向いた。
なんだかとても恥ずかしくなってその時あたしは俯いてしまった。
―――ゆめもさきもあたしとおなじなのに…。
あたしだけどうしてこんなにこあいんだろう?
あたしだけどうしてこんなによわむしなんだろう…?
俯いてしまったあたしを後ろから「とばねき」の腕が優しく包んでくれた。
――がかじょのかおり……。
「なあに…。別に恥ずかしがる事なんて何にもないさ。
「ゆめ」も「さき」も自分の匂いがあるから平気な振りが出来るだけなのさ。
でもおまえは「在人」だから自分の匂いが何も無いだろう…?。
だから何もないこんな世界の中じゃ、自分を見つける事が出来なくなっちまってどうしたらいいのかわからなくなっちまうのさ。」
懐かしい「西の指」の屋敷の庭に咲く蛾禍蜍の香りと、振りじゃイもんっ平気だもんっと怒る「ゆめ」こと「儚ノ中」と苦虫を噛み潰したような「さき」こと「先逝」の顔を見ていたら、少しだけ気持がほぐれてきた。
「私の背にのりなさい。
眠いのは平気なんて言ったが、おまえはさっきから蛇がのたくるような歩き方をしていて見ちゃいられんよ。」
「とばねき」があたしの前にかがみこむ。あたしはその背にしがみついた。
ゆめがずるいずるいと怒っている。
「露歩き」がはいはいと言って先を歩くように軽く促す。
――――温かい背、内側から響く強く生きる者の音――――
とく、とく、とく、とく………・・………
……・・・ ・ ちり。
………………………ちり…………ちっ……………ちりっ。
……………………………ビリッ。
「!」
「……くるり?どうした?………まさかお前…。」
「何か見えるのか?くるり。」
「露歩き」があたしを見据え、音のないその世界に氷のような声音を突き刺した。
ゆめもさきも「露歩き」の初めて聞く常にない声に身を固くしている。
「みえない……なんか、きこえるけど…。
なんか…やぶけるようなおと……。」
「とばねき」の背が硬くなるのを感じた。
「露歩き」の顔も一瞬その瞳を大きくしたかと思うと、あたしを見据えたまま固まった。
「ゆめ」はあたりを見回し耳を澄ませ、「きこえないよね?」と「さき」の方に顔を向けた。
それに対して「さき」も肩をすくめたりしている。どうやら二人には何も聞こえないようだ。
「…そうか。聞こえるだけ……。お前には聞こえるのか…。」
「露歩き」の瞳にわずかな悲しみの色がかげった。
そんな「露歩き」の様子をみて、「ゆめ」も「さき」も不安そうな顔をしている。
たぶんみんなの耳にはその時もなんの音も聞こえていなかったのだろう。
四人の間をかよう無言の空気を肌に感じているだけだったのだろう。
でも、あたしはその時も確かにその音を感じ続けていた。
………………………ちり…………ちり……………ちりっ
「…往こう。早くここを抜けたほうがいい。
くるりのような「在人」だけでなく私達にもここは毒な所だからね。」
「露歩き」が歩みだす。
「ゆめ」と「さき」もその後をあわてて付いていく。
「とばねき」も体の力を抜き、その後に従った。
あたしはというと、始めのうちは周囲に何か見えないか目をこらしていたが「とばねき」の内から響く温かい音に安心しいつの間にかぐっすりと眠ってしまい、目を覚ました時には「茶屋」の座敷に寝かされていた。
――――それがあたしの初めての旅路の記憶で、今から8000年程前のことだった。