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今出来る事は今のうちに

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

書き手には旬があるんですよ。

それを逃すともう書けないんです。


長い長い夜が明けて、夕暮れでも青空が差し込む時期に、はにかんだ彼女はこう言った。『悪いことしているみたい』と。どうやらこの青空の時刻に帰ると、早退している様に感じるらしい。

「何も悪いことなんかかしてないだろ」

「そうだね。……そう……なんだよね」

さも在り来りな返事を返すと、言葉を詰まらせながらも、在り来りな答えが帰ってきた。

落ちきって、花弁さえ残さなくなった山茶花の生垣を黙って見つめていると、彼女がまた次の会話を始める。

「行きたいところがあるんだ。それはずっと前から行きたいところ。大正レトロな洋館。去年の大型連休に見ようと思って先おにして、結局見れなかったところ」

彼女は基本的に、新しい場所を開拓するのを好まない。年中同じ場所に訪れて、同じ事をして、同じ時刻に帰る。そして同じ話を俺にする。

それは不変を求めているのだと思う。不変から齎される安心を求めているのだと思う。違う場所へ訪れて、危険や恐怖に晒されるのを拒んでいるのだと思う。

だから、これは彼女にとって勇気のいる事なのだと思う。

「決心が着いたのか」

「そう。行ったことない場所、慣れない場所ってさ、なんか……私にとっては禁足地なんだよね。そこでは私は部外者で、何処に何があるのか分からなくて、どうすれば良いのかも分からないから、何時も躊躇ってしまう。悪いことなんか何一つしてないのにね」

訪れた場所の利点というのは、勝手知ったる他人の家。精神的な緊張がない。だから大体の安心を得ながら行動することが出来る。けれども。

「動けるうちに動いた方が良い。行けるうちに行った方がいい。会える時に会った方がいい。明日もまた、こうして話が出来るなんて事は無いのだから」

甘党な友人が言っていた。生クリームを食べると胃がもたれる様になったと。浴びる程ケーキが食べられ無くなったと。もっと満喫していれば良かったと。だから。

「悪いことなんか何も無い。今できる事は今のうちにした方が良い」

行こう思うんですよ。近くて遠い場所に。

距離的にはそんなでもないんですが、いざ行こうとなると、どうしても遠く感じてしまう。

そんなこんなで早数年が経ちました。


これは皆様のお言葉なのですが、

歳を取ると体力が無くて、家に籠りがちになるよ。

旅行は早めに経験した方が良い。

との事。


でも流石に金銭的なものがドスッと来るので、まだ近場で行きたい場所にします。

帰れなくなるのも怖いですし。


パエリア、食べたいですね。

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