まったくの想定外
「もしかしてガブリエルか? 私とウリエルが地上へ堕とされたから、荒れているだろう……。でもガブリエルは決して悪い奴では……」
「ラファエル、ソフィアがメッセージで送った通りだ。俺とソフィア、そしてアクラシエルは今、『神の家』にいる。悪魔狩りのパーティをこの三人で組んだ。だが、俺は悪魔を狩るつもりはない。
お前にアクラシエルを会わせるために組んだパーティだ。天界でアクラシエルは、俺とソフィアにとても親切にしてくれた。だからこれはお前のためではない。アクラシエルのためにしていることだ。それでアクラシエルと会う時間をとれるのか?」
「……マティアス、ありがとう。今、ウリエルとチャリティーゴルフに参加している。早朝から動いているから、今日はこれが終わったらオフにしてもらっている。15時過ぎには家に帰れるよ」
「おい、ラファエル、今、なんて言った⁉」
「え?」
「ウリエルと行動を共にしているのか⁉」
「あ、ああ。そうだ。ウリエルは主によって人間として堕とされ、私と共に行動するよう命じられた。ウリエルはMisfitという名で活動している」
ソフィアがこの驚きの情報に固まっている。
それは俺も同じだ。
まさかエウリールがラファエルと行動を共にしているなんて、まったくの想定外。
「ウリエルが主の命令に従っているのか……?」
あのエウリールが主の命令におとなしく従うなんて、にわかに信じ難い。
「今回ばかりは私もウリエルも主に縛られているから」
縛り……?
「どういうことだ?」
「マティアスは天使の輪のこと、知っているかい?」
「天界図書館の本で知識としては頭にいれたが……見たことはない」
「ふふ。天界図書館の『役割』を担っているのか。そう、天使の輪は通常、視認できない。あまりにも力が強いものだからね」
「で?」
「主は天使の輪を自由に操ることができるんだよ。天使に力を与える時もあれば、あの輪で天使を縛ることもできる。あの輪はね、マティアス、主が認めた天使にしか与えられないんだ。だが大天使は全員、天使の輪を与えられている」
状況が見えてきた。
「その天使の輪で今、お前とウリエルは主に縛られているということか?」
「正解だよ、マティアス。ここ地上において、私の天使の輪は、金色のリングという形になっている。ウリエルは腕輪だ。……ウリエルはいつも勝手にはずしていたが、さすがに今回は主がそれを許さなかった。だから私もウリエルも、主によって直接監視下に置かれている状態なんだよ」
とんでもない情報を知ってしまった。
「主から直接監視されているって……。ではアクラシエルには会うのは無理なのか?」
俺の言葉にアクラシエルの体がビクッと震えた。
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次回更新タイトルは「とんでもない事態が日本で起きていた」です。
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