表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/190

会わせてやりたい

昼休憩が終わる時間になると、自然と目が覚めた。疲れていたからだろうか。夢も見ずにぐっすり眠っていた。


当たり前だが、胸の中にアクラシエルの姿はなかった。


迷惑だ、とハッキリ言ったのだから、いなくて当然と思いつつ、フロアに目を向けると……。


少し離れたカウチソファで、アクラシエルが横になっているのに気づいた。


昼休憩が終わる時間だったので、声をかけようとそばによると、アクラシエルは閉じた瞳から涙をこぼしている。


さらに寝言で「ラファエル様」とささやいていた。


そんな言葉を聞いてしまっては……。


声をかけることができなくなり、そのまま一階へ降りることになった。


アクラシエルがあんな風に泣くことになった原因は……ラファエル自身にある。だから俺には関係がないと目をつむることもできた。


でも……。


何も知らなかったアクラシエルは、俺達のことをいろいろと助けてくれた。


もちろんそこには、ソフィアと俺がラファエルの持つ男女それぞれの側面に似ているから、という下心があったのも事実だ。そして俺たちとラファエルの間の因縁を知り、ソフィアに対して許しがたい行為をした。


しかしそれを謝罪し、今は再び助言を与えてくれている。


会わせてやりたい……。

アクラシエルとラファエルを。

突然の別れだった。次にいつ会えるのかも分からない。

せめて一度でも話すことができれば、アクラシエルも落ち着くだろう。それにラファエルもアクラシエルのために、修行に励むことができるはずだ。


地上へ行くチャンスは、やはり悪魔狩りに参加するしかない。

一階に着くと、俺は悪魔狩りや騎士に関する本を探した。



「マティアスさん、そろそろ時間では?」


アクラシエルの声に、読んでいた本から顔を上げる。


「随分熱心に読んでいましたね。その本、借りて帰ります?」


「いや、大丈夫だ」


本を持って立ち上がった。


「今日はうまくいくといいですね」


本棚に本を戻す俺の後ろを、アクラシエルがついてきている。


「そうだな……。まあ、二度失敗しているから、あまり期待せずに行く」


「玄関に白百合の鉢を置いておきますよ。もし神殿へ入れたならそのまま朝まで放置されていることになります。放置されていたら成功ということで、ホワイト・ベーカリーにはお二人が神殿へ行ったと伝えておきます」


本を戻す手が思わず止まる。


「……そうか。そうしてもらえると助かるよ。ありがとう」


またもアクラシエルに、親切心を示された。


ソフィアのことを思うとまだ許せない気持ちがあるが、憎めない奴だと思えてしまう。


「お役に立ててよかったです。くれぐれも気を付けてくださいね」


「ああ」


アクラシエルに手を振り、出口へ向かった。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「誰もいないうちに」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ