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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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78/190

可愛さ余って憎さが百倍

天界の住居に鍵はない。


ドアを開け踏み込んでやってもよかったが、身についた習慣はそう簡単に変えられなかった。


ドアの前に立った俺はノックをし、アクラシエルがドアを開けるのを待つ。


……反応がない。まだ寝ているのか?


もう一度ノックした。

だがドアは開かない。

さらにノックし「アクラシエル」と声をかけた。


それでも反応がないので、いよいよドアを開けるかとノブを掴んだ瞬間。


アクラシエルがドアを開けた。


「マティアスさん……」


驚いた顔で俺を見上げるアクラシエルは、綺麗なストロベリーブロンド、琥珀色の美しい瞳で、ほんのりピンク色に染まった白い肌をしており、やはり女天使にしか見えない。


「話があるんだが」


怒りを含んだ声に、アクラシエルは瞳を伏せる。でも一歩後ろへ下がり……。


「どうぞ」


そう言って部屋の中へ入るように促した。

俺はそのまま部屋の中へ入った。


部屋は、俺とソフィアの部屋とそっくりだった。

置かれている家具も、カーテンの色さえ同じだ。


ダイニングテーブルを見ると、空になった皿と飲みかけのコーヒーが入ったカップが置かれている。


「その、物音がしましたが、マティアスさんが来ているとは思わなくて……。すぐに気が付けず、すみませんでした」


天界ではノックの習慣がないことに、改めて気づいた。


「いや、ドアは開いているのに入らなかった俺が悪い。それは気にするな。それよりも」


「分かっています。その、ソファに座りませんか?」


アクラシエルは、今にも泣き出しそうな顔をしている。しかもどう見ても女天使にしか見えない。


やりづらいな。


無言でソファに腰を下ろした。


「あ、コーヒー、良かったら」


アクラシエルがキッチンへ向かおうとする。


「いらないから座ってくれ」


思いがけず大声になり、アクラシエルが体を震わせる。


重い足取りでローテーブルを回り込み、俺の斜め横に置かれた一人掛けのソファに、アクラシエルは腰を下ろした。


その顔を見ると、視線は伏せられ、何かに堪えるように、唇が噛みしめられている。


「アクラシエル、俺がここに来た理由は分かっているよな? お前がラファエルの件で頭に来ているのは分かる。でもだからと言って、ソフィアに手を出すことが、許されることだと思うのか?」


「マティアスさん、ごめんなさい」


アクラシエルがソファから降り、床に座り込んだと思ったら、まるで伏せるようにして床に額をつけた。


これは……日本の土下座みたいだ。


「あの時はついカッとなってしまい……。ソフィアさんに対しては、少なからず好意を持っていました。ラファエル様がいなくなり、寂し思いをしている時に見かけたソフィアさんは……。本当に美しく、でも寂しそうな顔をしていて、放っておくことができませんでした。可憐で可愛らしく、まるでラファエル様の女性の側面を見ているようで……。だからソフィアさんが、ラファエル様の地上へ堕ちるきっかけを作ったと知り、可愛さ余って憎さが百倍という気持ちになってしまいました」


そこでアクラシエルが顔を上げた。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「でもソフィアさんには感謝しているんです」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼

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