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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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天使とは思えない邪(よこしま)な理由

食事をしながら互いの『役割』がどんなものだったかを報告しあった。


俺がウリエルの想い人を発見したと言うと、ソフィアはその絵画を見たがった。ラファエルの飾られるはずだった婚儀の絵のことを話すと、ソフィアは困り顔になった。さらにガブリエルの結婚相手の絵があったことを話すと「それは参考までに見ておきたいですね」と呟いた。


さらに景色がいいシェスタ向けの場所があると話すと「マティアス様とそこでお昼寝をしたいです」と可愛らしく微笑んだ。


……近いうちに絶対連れて行こう。そしてソフィアを抱き寄せ昼寝をしよう――俺は心に誓った。


「アクラシエルは、天界に来たばかりの天使の『役割』は図書館の係員が多いと言っていた。でもソフィアがホワイト・ベーカリーの店番になったのは、以前天界に来た時に図書館の係員の『役割』を経験済みだったからなんだろう?」


ブルーベリージャムをサンドしたベーグルを食べていたソフィアは、目をぱちくりさせた。


「マティアス様、天界で過ごした三年間の記憶は覚えていないんです。恐らく私も図書館の係員の『役割』を経験したとは思うのですが……」


「そうか。そうだったよな」


ソフィアは忘却の矢を受けていたんだ……。


「ホワイト・ベーカリーの店番の『役割』を担うことになったのは、その、私が立候補したからなんです。食料品や必要な物を手に入れるために、お店で『役割』をはたせばいいということをまだ知らなくてですね、その時点では。食べ物で困るのは大変と思ったのと、私がパンやケーキが好きということもあり、ホワイト・ベーカリーで店番の『役割』がないか、アクラシエルさんに聞いてしまったんです……」


ソフィアがはにかむように笑った。


「なるほど。それで運よく空きがあったのか?」


ソフィアは「よくぞ聞いてくれました!」という顔をした。


「本当は店番より、パン職人の『役割』を担える人が必要だったのですが、店番をやっている方の一人が、パン職人の『役割』に興味を持っていたんです。それでいい機会だいうことになりまして、その方がパン職人の『役割』を担い、私が店番の『役割』を担うことになったのです」


「なるほど。そんな展開があったのか。……そうなるとソフィアは、しばらくホワイト・ベーカリーの店番の『役割』を頑張らないといけないな」


ソフィアはこくりと頷く。


ソフィアと一緒に図書館の係員の『役割』を担いたいと思ったが、どうやらそれは難しそうだ。


「マティアス様、どうかされましたか?」


心配そうにソフィアが尋ねるので、思わず本音を話してしまった。


「なるほど。マティアス様と同じ『役割』……。それも楽しそうですね。いずれ役割交換をする機会があれば、同じ『役割』にしましょう」


ニコニコとソフィアは微笑むのだが……。


ソフィアと一緒に担いたい『役割』は、図書館の係員だった。


他の『役割』ではない。


なぜなら……。


誰にも邪魔されることのない図書館のあの場所で、シェスタの時間にソフィアを抱いて寝たいだけで……。つまり天使とは思えない非常によこしまな理由からだった。


……でもまあ、どんな『役割』であれ、ソフィアと一緒なら楽しいに違いない。


「ところでソフィアの方は今日、どうだっだんだ?」


するとソフィアは嬉しそうに話し始めた。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「もう抱きしめてキスをするしかない」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼

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