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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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無性にソフィアに会いたくなっていた

「コイツは関係ない。俺が自分で『役割』を手に入れたんだ」


ガブリエルは一瞬口を閉ざしたが、ふわっとまたあの笑みを浮かべる。


「そうか。では仕方ないな。『役割』を担っているというなら」


それだけ言うと、昨日も共にいた女天使に声をかけた。


「アリエル、行くぞ」


「はっ」


二人は連れだってそのまま飛んでいった。


「……あの、マティアスさん、大天使ガブリエル様とお知り合いなのですか……?」


アクラシエルが隣に回り込み、遠ざかる二人を見ながら俺に尋ねる。


「知り合い……というか、まあ、そう、だな」


「マティアスさん、あなたが騎士希望だとは知らなかった。勝手に『役割』を」


「違う!」


思わずアクラシエルの両肩を掴んでいた。


「確かに俺は昨日、ソフィアをおいて悪魔狩りに行った。でもそれは本意ではないんだ」


「そう、だったのですか……」


「……俺が悪魔狩りに行っていたこと、ソフィアから聞いていないか?」


「いえ、聞いていません。聞いていたら……あなたに『役割』を担わせませんよ。一度でも悪魔狩りに行ったことがあれば、それはもう騎士ですから。ただの天使に悪魔狩りなんてできません。屈強で強靭な肉体を持つ天使のみが担うことができるもの、それが騎士なんです。……そう、あなたのように」


アクラシエルが肩を掴む俺の腕を見て、そして自身の腕を見た。


男女の天使の違い、というのもあるが、アクラシエルの腕は細く、ちょっと力を入れて掴めば、すぐに折れてしまいそうだ。


なんとなくアクラシエルの肩から、手を離してしまった。


「でも今の言葉によると、あなたは騎士になることが本意ではないようですね」


「ああ、そうだ。俺は騎士になんかになりたくない」


「では私があなたに『役割』を与えたことは、間違いではなかったのですね」


アクラシエルが微笑む。


「その通りだ。『役割』を与えてもらっていたから、今日、悪魔狩りに行かずに済んだ」


「なるほど。あ、道草を食ってしまいました。行きましょう」


アクラシエルに促され、再び図書館に向け、移動を開始する。


するとアクラシエルは前方を向いたまま、俺に声をかける。


「ソフィアさんからはあなたのことをこう聞きました。もう一人、神殿で婚儀を挙げる予定の愛する人がいるので、彼と二人で住みたいのですが、問題ないですか、と」


……!


ソフィアがアクラシエルに俺のことを「愛する人」と紹介していた。


「神殿で婚儀を挙げる予定だ」と、ハッキリとアクラシエルに伝えていた。


この事実に俺の胸は熱くなる。

無性にソフィアに会いたくなっていた。

その華奢な体を抱き寄せ、そして……。


「着きましたよ、マティアスさん。これが図書館です」


ゆっくり降下したその先に、図書館の入口が見えた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「自然と笑みがこぼれた」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼

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