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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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いくら飲んでもほろ酔い

「マティアス様、こんな時間ですが、お腹空いていますか?」


ソフィアが探るような目で俺を見る。


「お腹は……そういえばここに来てから何も食べていないが……。なぜだろう。空腹感はない」


やはり、という顔でソフィアは頷いた。


「食事の習慣はあるようなのですが、どうも食欲はないみたいなんです、天使は。ですから空腹感を覚えることもない……。それでも人間の頃の習慣を真似しているのか、会話を楽しむためなのか、食事は一応皆さんしているようで。


ただ、食べるのは野菜や果物で、肉や魚を食べることはないようですよ。食事で栄養補給をしているわけではないので、野菜や果物だけを食べていても問題ないようです。


あ、でもパンやケーキはあるんですよ。ここの隣の一階がパンとケーキのお店なんです。卵は使わずに作られていると聞きました」


「なるほど。あらゆる肉体の欲求から解放されているんだな」


「はい。……食事はいい、となると、シャワーを浴びますか、マティアス様」


「そうだな」


「では着替えをお持ちしますね」


ソフィアから着替えを受け取り、俺はシャワーを浴びることにする。


シャワーは地上のそれと変わらず、ガラス瓶に入ったシャンプーやコンディショナー、ボディソープも、泡立ちや香りなどこれまで使っていたものと変わらない。


ただ用意されていた衣服は、さっきまで着ていたのと同じ白いキトンで、それを纏うことでここが天界なのだと実感する。


バスルームから出ると、ソフィアが俺に声をかけた。


「マティアス様、ワインを用意しておきました」


「……酒があるのか?」


「はい。でもいくら飲んでも、ほろ酔いぐらいにしか酔わないそうですよ」


ソフィアの視線の先、ソファの前のテーブルには、ボトルのワインとグラスが置かれている。


「ではマティアス様がお酒を楽しんでいる間に、私はシャワーを浴びさせていただきますね」


「……ソフィア、まだシャワーを浴びていなかったのか?」


「はい。外出してましたし、どのみち眠る前に浴びようかと思っていたので」


「そうか。ゆっくり汗を流すといい」


ソフィアは笑顔で応え、バスルームへ向かった。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!

本日は2話公開です。引き続きお楽しみください~。

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