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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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無視したいが、無視できない。

「元魔王の俺に悪魔狩りをさせる? どんだけ悪趣味をしているんだ? それでも大天使か? ラファエルといいお前といい、大天使は悪魔より残酷だな」


ガブリエルの言葉を無視し、神殿の中に入ることにした。


大天使と言えど、天使に手を出すことはできない。


だが。


「警告をしておこう、マティアス。ボクの命令は天界の教義に反するものではない。君は天使なんだ。悪魔狩りをして当然だ」


ガブリエルは怒りを顔に出すことを止めたようだ。

能面のような顔で俺に言葉を投げつける。


その顔を一瞥し、ソフィアの手をとると、神殿の扉の前に立った。


つまりガブリエルのことを無視した。


すると……。


「命じられた君は従う必要がある。従わなければ、裁きがくだされる」


「裁き、だと?」


俺はガブリエルを睨んだ。


「そうだ。大天使の命令に逆らう天使など見たことがない。どんな裁きが下されるのか、ボクにも分からない。何が起きるか楽しみだな、マティアス。裁きがくだされた時、君の横にいる女性の天使はどう思うだろうか?」


ガブリエルの言葉にソフィアの顔が青ざめる。


くそっ。


ソフィアのことを持ち出すなんて、かえすがえすも大天使って奴は悪知恵が働く……。


大天使の命令一つ背いたぐらいで裁きが下される、だと? 俺が知るしゅによる裁きは白い炎で焼かれる、人間として地上へ堕とされるぐらいだ。命令に背いたぐらいで白い炎に焼かれることはないだろう。地上へ堕とされることもないだろう。


では他にどんな裁きがある?


だがどんな裁きであろうとそれが下されれば……ソフィアは悲しむ。


それに取り返しのつかないことになるかもしれない。


そうなればソフィアは……。


無視したいが、無視できない。


俺はため息をつくとソフィアを見た。


「……ソフィア、待たせることになりすまない。不本意ではあるが、ガブリエルの悪魔狩りに付き合うことにする。ここに来る途中にイチイの巨木があっただろう? この木の下で待っていてくれ。ただ、待つと言っても日没までだ。それまでに俺が戻らなかったから、悪いがソフィア、身を休める場所を探し、そこへ移動してくれ。俺は何があってもあの木の下に戻るから」


ソフィアは不安でいっぱいのはずだった。

だが、何も言わずにただ頷いた。

俺はソフィアを抱きしめると純白の翼を広げた。


悪魔の羽よりずっしりと重みを感じる。

でもほとんど力を使わずとも空に舞い上がることができた。


ガブリエルはすでに数百メートル先を、女天使を連れ、飛んでいた。


俺は神殿を見下ろす。

ソフィアが心配そうにこちらを見上げている。


「大丈夫」と示すように俺は頷くと、忌々( いまいま)しいガブリエルの姿を追った。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「魔王の面影」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼

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