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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】千年片想い

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サプライズ

食事を終え、後片付けをしていると、ロルフとベラは俺の部屋に入っていった。


「マティアス、俺とベラは疲れたから今日はもう休む。部屋、勝手に入ってくるなよ」


「ああ、分かった」


というか、俺の部屋なんだが……。


「ソフィアも疲れていたら先に休んでいいんだぞ」


ソファに座るソフィアに声をかけた。


「私はまだ疲れていないので大丈夫ですよ」


「……ソフィア、ベラから聞いたよ。ソフィアは強かったって。決して涙を見せず、屈しなかったって」


ソフィアの隣に腰を下ろした。


「それは……ゲオルクとヘルマンが言っていることは真実ではなかったからです。私がマティアス様に提言したこと、マティアス様が行ったこと、それがすべて間違っているとは私は思っていないので」


「うん。それはその通りだよ。俺もそう思っている」


ソフィアは微笑んだ。


「あとは演技のレッスンで、心を強く持つことが大切と習っていたことが役立ちました。集結した悪魔の前に引き立てられた時も、ここは舞台で、私はどんなになじられようと、自分の信念を曲げない女性を演じるんだって、自分に言い聞かせたら、乗り越えられました」


「そうか。仕事で学んだことが役立ってよかった」


「はい」


その後は仕事のことを話したりして時間が流れ、俺はシャワーを浴びることにした。



シャワーから出ると、ソフィアはパソコンに向かっていた。


俺に気付くと、ソフィアは水を持ってきてくれた。


「ありがとう、ソフィア」


グラスを手にソファに座ると、ソフィアはパソコンを終了し、俺の隣に座った。


「どうした? パソコンはもういいのか?」


「はい。大丈夫です」


俺は一口水を飲んだ。


ソフィアは何をするでもなく隣に座っていた。


「……ソフィア?」


「目をつぶっていただいていいですか、マティアス様」


「え、今?」


「はい」


グラスをテーブルに置き、目を閉じた。


「目を開けていただいて大丈夫ですよ」


「……!」


テーブルにラッピングされた箱が置かれていた。


「マティアス様、今日、ご自身のお誕生日だってこと、覚えています?」


「いや……すっかり忘れていた……」


「さっき、マティアス様のSNSを見たら、沢山ハッピーバースデイのメッセージが届いていましたよ」


「そうだったのか……」


「せっかくのお誕生日が大変な一日になってしまいましたが、改めて、マティアス様、お誕生日おめでとうございます。今年もマティアス様のお誕生日をお祝いできて良かったです」


「……ありがとう、ソフィア」


「本当はケーキやお料理も用意して盛大にお祝いするつもりだったのですが……」


「仕方ないよ。まさかソフィアがさらわれて、悪魔があんなに集結するとは思わないからな」


「……私が外出しなければよかったですね……」


「それは関係ないよ。ソフィアが外出しなくても、ゲオルクとヘルマンは部屋に乗り込んでいたかもしれないし、外へ呼び出されていたかもしれないのだから」


「マティアス様……」


「このプレゼント、開けていいのか?」


「はい」


ソフィアが微笑んだ。


箱を開けると、腕時計が入っていた。


いつの間にこんなものを買っていたんだ……?

連日仕事で忙しかったはずなのに。

もしや……。


「ソフィア、もしかして今日デパートで買っていたものって……」


「はい、この腕時計です。ネットで見つけて、でも腕時計は繊細なものなので、お店で買いたいなって思って、電話で問い合わせて取り寄せしていたんです」


「そうなのか。わざわざありがとう。つけてみていいか?」


「もちろんです」


魔界にいる時はいつも懐中時計を使っていた。


あれはどこへ行ったのだろう。


地上では、ビジネスで腕時計をつけている人が多かった。


俺もいつかは買った方がいいかなと思っていたので、とても嬉しかった。


「うん。ピッタリだ。文字盤も見やすいし、色も綺麗な碧で気に入ったよ」


「良かったです」


ソフィアが両手を合わせて微笑んだ。


その笑顔が可愛らしくて俺はソフィアを抱き寄せた。


「大切にするよ」


「そうしていただけると嬉しいです」


愛おしいという気持ちがこみ上げた。


と同時に今日、ソフィアの身に何も起きなかったことを、俺は……神に感謝した。


「ソフィア……」


ソフィアが顔を上げた。


「一生忘れられないようなキス……今日でもいいか?」


ソフィアの頬がバラ色に染まった。


「マティアス様のお誕生日に初めてのキスができたら、一生忘れられないキスになりますね」


そんな笑顔を見たら、もう止まらなかった。


心臓の音があまりにも大きくて、部屋中に響いているのではと思うぐらいだった。


左手をソフィアの背に回し、右手で頬を包み、顔を近づけた。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「ファーストキス」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼


【完結】『歌詠みと言霊使いのラブ&バトル』


https://ncode.syosetu.com/n7794hr/


バトルパートでは激しい戦闘もあればコミカルな戦いもあり

恋愛パートは思春期の男子らしいHな描写もあれば、甘く切ない展開もあります。

仲間との友情も描かれています。

全67話で完結済みです。一気読みにいかがでしょうか⁉

ぜひこちらの作品もよろしくお願いいたします。

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