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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】千年片想い

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魔王騎士団

「魔術……だと?」


「……ああ。それで今、地下の駐車場から車に乗せられ、どこかに移動しているって」


「ベラは……ベラの正体はまだバレていないのか?」


「どうだろう……。ただ、一緒に車に乗せられたらしい」


「ソフィアの状態は?」


「手を後ろに縛られ、横にされている」


「追うことはできるんだな?」


「ああ、ベラが連絡をくれている限り、追うことはできる」


「よし行くぞ」


俺はロルフを連れ、マンションを出た。



もはや出し惜しみしている場合ではなかった。


ロルフの魔力を使い、マンションの裏でバンを停めて俺とソフィアをはっていた記者とカメラマンを操り、ソフィア達を追わせた。


「どうやら埠頭に、恐らく倉庫街へ向かっている」


「車にいるのは二人をさらった紳士……二人の悪魔だけなんだな?」


「そのようだ。ただ、どうも倉庫には他にも仲間がいるようだ。何人かの人物の名を口にしている」


「把握している名は?」


「ダミアン、エクムント、ルーカス……ヘルマン⁉ マティアス、車を運転しているのはヘルマンだ」


「何⁉ ……ということは助手席にいるのはゲオルクの可能性が高い……?」


「恐らく」


スマホが振動した。


慌ててスマホを取り出した。


「マティアスか」


「エウリール!」


「大変な情報を掴んだ、マティアス。ゲオルクとヘルマンは三日前に来日している。ゲオルクとヘルマンだけじゃない。各国に散っていた魔王騎士団が今、日本に集結している」


「目的は?」


「日本にいる魔王の元に集結し、天界へ攻め込むつもりだ」


「それで今、日本にはどれぐらいの魔王騎士団が集まっている?」


「魔王騎士団以外の悪魔も集まっている。その数は数百、いや数千……」


「ソフィアがゲオルクとヘルマンにさらわれた」


「え……」


「今、ソフィアを乗せた車は海上埠頭に向かっている。俺はロルフと一緒にそこへ向かっているところだ」


「なぜソフィアを……」


「エウリールの話を聞いて、ゲオルクとヘルマンの描いた筋書きが見えてきた」


「というと?」


「倉庫には、魔王騎士団や天界へ一泡吹かせてやろうと考えている悪魔が集結しているのだろう。ゲオルクとヘルマンはそこへ俺を担ぎ出そうと考えている。だが俺のSNSを見れば、俺が蜂起して何かしようなどと考えていないことは分かっているはずだ。


だからソフィアを使い、俺をおびき出すことにしたのだろう。


ソフィアがさらわれた時、そばにはベラがいた。魔王騎士団の悪魔が、ベラが誰であるか気づかないわけがない。それなのにそのままソフィアと一緒に車に乗せたということは、ベラが俺に連絡をとると分かっていたからだ。俺に後を追わせるつもりなんだ」


「……なるほど。だがなんでソフィアなんだ? ベラやロルフでも良かったのでは? 二人は動物の姿なんだし、さらうのも簡単だ。部下のためにお前が死地へ向かった話は英雄譚として語り継がれている。ベラやロルフがさらわれた、となれば、お前が駆け付けることは分かっているだろうに」


「……ソフィアと俺は恋人同士であると公にしているからな。実際そうなったし」


「そうなのか‼ ついにソフィアを抱いたのか⁉」


「違う、それはまだだ! ただ先日想いを告げた。そしてソフィアも俺の気持ちに応えてくれた……」


「やったじゃないか、マティアス! とっと抱いてやれよ」


「いや、今はそんな話をしている場合じゃない。ゲオルクとヘルマンに、ソフィアを返してほしければ集結した悪魔の指揮をとれと言われれば、俺は……そうするしか術がない。ロルフに残されている魔力だけで、ゲオルクとヘルマンを……魔王騎士団や集結している悪魔たちをどうかするなんて無理だ」


「そうだろうな。……分かった、マティアス、その件はおれがなんとかしよう。埠頭についたらとにかく時間を稼げ。おれも埠頭へ向かう」


「分かった」


スマホを切った。


しかしどうして今、ゲオルクとヘルマンが動いたんだ……?


そこで俺は一つの仮説に行きつく。


ジュエリーブランドのショート・ムービー……。


あれは世界各国で展開された。


ゲオルクとヘルマンはあれをきっと見たんだ……。


そして俺が日本にいると気付いた……。


「マティアス、埠頭が見えてきた」


ロルフの声に俺は前を見た。


速度を緩め、倉庫街を進む。


「マティアス、あれだ、あれがベラが言っていた車の特徴と一致する」


ロルフが見る方角には一台の黒い高級車が止まっていた。


「よし。じゃあここに車を止めて、倉庫へ向かおう」


俺はロルフを連れ、倉庫へ向かった。


倉庫の入口は閉じられていた。


「別の入口を探そう」


俺とロルフは倉庫の周囲をぐるりと回り、事務所を見つけた。


事務所の中に人の気配はもちろん、悪魔の姿もない。


そしてドアの鍵は開いている……。


ここから入れ、ということか。


静かにドアを開け、中へ入った。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「傾国の美女」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼


【完結】『歌詠みと言霊使いのラブ&バトル』


https://ncode.syosetu.com/n7794hr/


バトルパートでは激しい戦闘もあればコミカルな戦いもあり

恋愛パートは思春期の男子らしいHな描写もあれば、甘く切ない展開もあります。

仲間との友情も描かれています。

全67話で完結済みです。一気読みにいかがでしょうか⁉

ぜひこちらの作品もよろしくお願いいたします。

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