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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】千年片想い

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禁断の果実

翌日からはまた仕事にレッスンに忙しい日々が始まった。


既存クライアントの継続案件も多かったが、新規の案件としては小説の魔王と令嬢をイメージした眼鏡フレームの販売に当たり、着用イメージの写真撮影に参加することになった。


久々に魔王の衣装に袖を通し、用意された三種類の眼鏡をかけることになった。


丸型フレームのラウンドは、つけてみると魔王というより魔法使いのような雰囲気に仕上がった。四角型フレームのスクエアは、きりっとした感じの魔王が出来上がった。丸型フレームのボストンをつけると、オシャレを気にする魔王という感じだった。


一方のソフィアは、ラウンドをつけると家庭教師風の令嬢に、スクエアはキャリアウーマン風の令嬢に、ラウンドは優しい感じの令嬢と、眼鏡一つでイメージがかなり変わった。


俺とソフィア……魔王と令嬢のツーショット写真も、眼鏡があるだけでこれまで撮影した写真とは雰囲気がかなり違っていた。


撮影が終わると、クライアントはこの三種類の眼鏡をプレゼントしてくれた。


ソフィアはラウンドを、俺はスクエアをつけ、次の仕事場へ移動することにした。


「……マティアス様のその眼鏡、とても似合っていますね」


車に乗るとソフィアは俺を見て微笑んだ。


「そうか。ありがとう。ソフィアもその眼鏡、昔、俺についていた家庭教師みたいだ」


「え、それは……似合っているのですか? 似合っていないのですか⁉」


「似合っているよ。いつものソフィアと雰囲気が変わる」


俺はそう言うとソフィアの耳元に顔を近づけ


「悪魔というのは禁断の果実と分かると食べたくなる。……教師に手を出すなんて許されない。そう思うと求めたくなる……」


耳たぶを甘嚙みし、首筋にキスをした。


「……!」


ソフィアは体をビクッと震わせ、ため息を漏らした。


「……マティアス様、ひどいです! 家では普通なのに、移動中とか、撮影の休憩時間とかに……私をからかうなんて――」


頬をバラ色に染め、抗議した。


「家は危険すぎるんだよ。俺が暴走したら止める奴がいないだろう? ロルフもベラもお幸せにとか言って消えそうだ」


「……!」


「外だったら人の目がある。俺も無茶はできない」


「……! マティアス様が言いたいことは分かりますが、だ、誰かに見られたらどうするのですか⁉」


「問題ないだろう。公式でも二人は恋人同士です、と認めているのだから」


「そ、そーゆう問題じゃないです~」


「分かっているよ、ソフィア」


俺はソフィアを抱き寄せた。


……本当に可愛らしいな。

こんなにも好きな相手がそばにいるのに何もできないなんて……。

このまま何事もなく、過ぎてくれれば――。


俺は静かに目を閉じた。



ハロウィンには仮装パレードの仕事に参加し、初めて俺たちのファンを目の当たりにすることになった。


ソフィアのファンは男女問わずで、小学生ぐらいの子供から、社会人と思われる男性まで幅広いファンがいた。


一方の俺のファンは中高校生の女子が圧倒的に多く、信じられないぐらいの歓声で迎えられた。


そして十一月一日に、世界的なジュエリーブランドのあのショート・ムービーが、SNSやネットで公開された。町の目立つ場所にポスターが飾られ、街頭モニターにも映像が流れた。


それは日本だけではなく、そのジュエリーブランドが進出している世界各国で同じように展開された。


その反響は相当なものだったようで、ニュースにもなり、商品は物凄い勢いで売れ、ソフィアと俺は自転車での外出が難しい事態になっていた。


田中さんからはハリウッド映画への出演オファーも来ていると、ソフィアに連絡が来ていた。


仕事も当然これまでより忙しくなっていた。



「ソフィア、出かけるのか?」


二週間ぶりに丸一日のオフがもらえた。


てっきりのんびり部屋で過ごすのかと思っていた。


だが、朝食を終え、部屋の掃除を終えたソフィアは「今からちょっと出かけようと思います」と俺に告げた。


「……一人で大丈夫か? 最近、俺たちをつけている記者もいるのに……」


「大丈夫ですよ。ベラを連れて行きますから」


「……そうか」


「マティアス、あたしとソフィアはランジェリーショップへ行くつもりだ。誰かさんが毎晩のようにソフィアの胸を可愛がるから、今持っているブラじゃきつくなってきたらしい。マッサージ効果なのかね」


「な、ベラなんてことを! そんなことしてませんし、言っていません!」


ソフィアは顔を真っ赤にしてベラを捕まえようと部屋の中を走り回った。


「……そういう外出なら女同士で行くのがいいだろう。準備ができたら教えてくれ。俺がマンションの表から外に出て、週刊誌の記者をひきつけておくよ。ソフィアとベラは少し時間をおいて裏口から外へ出るといい」


ようやくベラを捕まえたソフィアは俺の言葉に微笑んだ。


「……ありがとうございます、マティアス様」


「俺はやっぱりソフィアは白か淡いピンク色が似合うと思う」


「え……」


ソフィアは再び顔を真っ赤にした。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「魔王の復活を!」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も学校、お仕事、頑張りましょう‼


【完結】『歌詠みと言霊使いのラブ&バトル』


https://ncode.syosetu.com/n7794hr/


バトルパートでは激しい戦闘もあればコミカルな戦いもあり

恋愛パートは思春期の男子らしいHな描写もあれば、甘く切ない展開もあります。

仲間との友情も描かれています。

全67話で完結済みです。一気読みにいかがでしょうか⁉

ぜひこちらの作品もよろしくお願いいたします。

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