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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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ミカエルの決断

「まずはアドバイスからだ。魔界は今、安定している。オリアクスとルルの存在が、魔界を一つにまとめている。魔界を統治したいと思う天使はいないだろう? ならばここにいる大天使ウリエルを魔界の統治者とし、実際はオリアクスとルルに統治させるといい。二人はウリエルの指示に従うはずだ。二人は悪魔だ。でも地上へ降りて、人間に悪さをすることはない。天使に対して歯向かうこともない。だから魔界に満ちる神の力を弱め、天使と悪魔が共存できる場所に、魔界を変えてはどうかと俺は思う」


この考えを口にするのは初めてだったが、エウリールもそれがいいと思っているのだろう。

同意するように頷く。


「次に」


俺は慎重に言葉を運ぶことにした。


「これは、俺の正当な権利だと思っている。大天使の命令が、絶対であることは理解している。天使である俺が、従う必要があることも。でも求められている以上の成果を出した。だから一つぐらい、願いを叶えて欲しい」


ミカエルはこれまでと同じように、俺をただ見ている。


「レイラという女天使の魂を、天界へ戻して欲しい」


エウリールがハッとした表情で俺を見た。

ずっと微動だにしなかったソフィアも、俺を見る。

そしてミカエルは……。


沈黙が続いている。

だが、賽は投げられた。

ここで折れるつもりはない。

ミカエルの神秘的な瞳を、見つめ続けた。


「……」


ミカエルが穏やかで優しい声で話し出す。

よし。交渉のテーブルにミカエルはついた。


「君からのアドバイスは的確だ。オリアクスとルルという、魔王の血筋をひく純血種に実務を任せる、その形でいいだろう。だが魔界の統治者は、ウリエルではない別の者に任せる」


「……別の者……?」


別の者……ほかの大天使は……。

ガブリエルは……地上で修行の身だ。となると……。


「……ラファエルに任せるのか?」


「いや、違う」


ミカエルは即刻否定した。


「まさか……ガブリエルはもう復権するのか!?」


エウリールの眉がピクリと動く。

復権には早過ぎる。

エウリールもそう思っていることが、伝わってきた。


「違う」


落ち着いた穏やかな声で、ミカエルは否定する。

そして……。

なぜか慈しみを込めた眼差しで俺を見た。


「魔界の統治者は君だ」


俺も、エウリールも、ソフィアも。全員が固まった。


「君以外の適任者は思い浮かばない。天使と悪魔が共存できる場所に、魔界を変える――マティアス、君が思う策を講じてみるといい」


まさか俺が、という思いもある。

だが魔界を変えることを認められた。

ならばここは快諾だろう。


「……分かった。俺の考えで、魔界改革をオリアクスとルル共にやらせてもらう」


ミカエルは頷き、さらに続ける。


「レイラという女性の魂の件だが、通常は認められることではない。だが、確かに君は天界と魔界の争いを終結させ、現在の魔界の混乱も収めた。その功績は計り知れない。だから認めよう。レイラの魂を天界へ戻すことを」


「……! 本当なのか、ミカエル!?」


エウリールが興奮気味に尋ねる。


「私が一度でも嘘をついたことがあるか?」


「いや、ない」


ミカエルはそこで瞳を細め、小さく何かを呟いた。


しゅによる奇跡。刻限だ」


ミカエルはそれだけ言うと、ふいに姿を消した。

だが次の瞬間。


「ウリエル……」


見知らぬ女性の声が聞こえてきた。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!

ハッピーエンドにむけ、走り出しています。

今回は更新増量でもう1ページあります!

この後、22時に公開します!

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