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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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ミカエル対策

「しかし、こんなマントをつけて朝食か? 朝からフルコースでも食べるのか?」


俺の問いにエウリールは、楽しそうに笑う。


「いや、このマントはな、ただのマントではない。気づいていると思うが、おれの瞳と同じサファイアブルーをしているだろう? このマントには、大天使であるおれが与えた加護が込められている。おれの宮殿で、おれの加護が込められたマントを着ている限り、マティアスとソフィアは、疑似的におれと限りなく同格に近い状態になる」


「……ミカエル対策か?」


エウリールは目を細めて頷く。


「これでアイツの前でひざまずいたり、感情を抑制されたり、意志に反した言葉を発しないで済む」


そうまでしないとエウリールであっても、ミカエルの力を抑えられないのか。


分かってはいたが、ミカエルは……天界において限りなく無敵の存在だ。だが、俺が魔王だったら、互角に渡り合えたかもしれないとエウリールは言っていた。一度も戦うことなく天使になったことを、少し残念に感じる。


「お待たせいたしました」


食事を運ぶ天使達が、続々と部屋の中に入ってくる。

フルーツやサラダに加え、焼き立てのパンが並べられた。


「ではいただこうか」


エウリールが食前の祈りの言葉を始める。ソフィアと俺もそれに習う。


「さすがにここではな。これを言わないと、しゅが不機嫌になる」


いつも奔放に見え……実際に奔放だが、エウリールは真面目だ。俺の任務にも常に忠実であったし、本当に有言実行だった。


「どうした、マティアス? 口に合わないか?」


エウリールが俺を見る。


「いや、大丈夫だ」


止まっていた手を動かす。


挽肉の代わりに、高野豆腐を使ったパイを食べたソフィアは「絶品です!」感動している。そして「今度家でも作りますね」と俺を見て微笑んだ。


エウリールは宮殿あるあるでさらにソフィアを笑わせ、朝食の席はとても楽しいひと時になった。


食事を終え、コーヒーを楽しんでいると……。


エウリールが「来るぞ」鋭くそう言った次の瞬間。


輝くようなホワイトブロンドの髪。宇宙を思わせる神秘的な色の瞳。すっきりとした目鼻立ちに透き通るような白い肌。体は見事な黄金比。


光を放つ翼が見えたのは、一瞬のことだ。

ミカエル――。

ひざまずくことはなかった。


でも全身にとても強い力を感じる。その力を懸命に支えているような状態で、指一本動かせる気がしない。


だが。


「おはようございます、ミカエル。このような早朝からどうしました?」


エウリールが、ウリエルらしく声を放った瞬間、その強い力がかなり緩和された。


やはりここはウリエルの宮殿。

大天使ウリエルの力が、間違いなく作用している。


「戻っていたのだな」


穏やかで優しい声が聞こえてくる。

俺の中でくすぶっていたミカエルへの負の感情は、すぐさま沈静化された。


「ええ。昨晩、戻りました。今日にでもマティアスを連れ、報告へと思っていたのですが」


エウリールが優美に微笑む。

その瞬間、ミカエルに言うべきことを言う、という意志が唐突に思い出された。


「その報告を待っていたよ。聞かせてもらおうか」


ミカエルがそう言うと、何もない空間に突然立派な椅子が現れた。


椅子……と言っていいのだろうか。


巨大な牡鹿の角を左右に広げたような、白亜の玉座……そこにミカエルは、ゆったりと腰を下ろした。


「ではマティアス、報告を」


エウリールが俺を見た。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今後の展開ですが、二つのルートがあります。

片方のルートで更新を続けると、残り3つのエピソード(Episode4~Episode6)があります。

つまり長期連載が続くことになります。

別のルートですと、本エピソード(Episode3)で完結になります。

アクセス解析なども見て、考えていますが

どちらで更新をするか決心ができていません。

ついてはしばらく考えるお時間をいただけないでしょうか。

大変申し訳ありません。

悩んでいましたが、踏ん切りがつきました!

Episode3で完結で、更新を3月8日(水)の21時から再開しますっ!

よろしくお願いいたします!


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