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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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オレ、ルル様希望

!? 髪とキトンが乱れていないか? というか、キスマークが増えていないか?


エウリールの後ろには、ドレスの乱れを気にする様子のエミリアがいる。


まさか……。


「マティアス様、ここにいる三十四名は完了です。魔界へ順次帰還してもらいましょう」


ソフィアの言葉に頷き、エウリールに尋ねた。


「奥の部屋の告解は終わっているのか?」


「確認済だ。全員シロだ」


……エミリアとよからぬことだけをしていたわけではなく、すべきことはしていたと。


まあ、エウリールらしいな。


「ではエウリール、一度この悪魔三十四名を魔界まで護衛してもらえるか?」


「よかろう」


エウリールが悪魔を連れ部屋を出て、奥の部屋からは、新たな元悪魔の人間が出てきた。


「オリアクス、ルル、頼む」


「はい」


二人は声を揃えて返事をすると、早速口づけを始める。


「エミリア、日本に堕とされていた悪魔は、これですべてか?」


「あと六名いるだけど、その五名は魔界へ戻ることを辞退したの。理由はこの地上で愛する人間ができた者、魔界より地上が気に入った者、理由は様々。それと六名のうち一人は、事故で亡くなっていたわ。リストにまとめておいたわよ」


エミリアは該当する悪魔の名前と理由をメモした紙を、俺に渡した。


「なるほど。分かった。ありがとう、エミリア。しかし、亡くなった者もいるのか……」


人間が有限の命であることを、改めて思い知る。


「ソフィア、日本にはもう少し堕とされているかと思ったが、思いの外少なかったな」


「そうですね。マティアス様の側近もいなかったので、元魔王と結託しないよう、日本にはあまり堕とさなかったのかもしれませんね」


それは一理あると思えた。


「兄上、こちらの二十名も完了です」


「よし。エウリールも間もなく戻って来るだろう。あ、ロルフとベラも頼む」


「もちろんです」


オリアクスが返事をすると、ロルフが素早く反応する。


「あ、オレ、ルル様希望」


「はあ!? ロルフ、あんた……。いいわ。私はオリアクス様にお願いするから」


「何!? ベラ、オリアクス様はマティアスにそっくりだぞ。まさかベラ、マティアスのこと……」


「ロルフ、あんた、なんてことを……。ちょ、ソフィア、違うから。あたしはマティアスにそんな感情は持っていないから。現にロルフのばかと結婚しているし」


「オリアクスはロルフを、ルルはベラを頼む」


俺は指示を出すと、ソフィアの手をひき、店の奥に向かった。


「千年以上ソフィアのことだけを求め、他の女には目もくれなかった。だからつまらないことで一喜一憂しなくていい」


「マティアス様……」


ソフィアが抱きつき、俺はその唇に、惜しみなく甘い甘いキスを落とす。


「マティアス、戻ったぞ」


エウリールのよく通る声が聞こえてきた。


ぎゅっと抱きしめ、その手を取ると、ソフィアと共に店に戻った。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「これは一体どういことだ!?」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう!!

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