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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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君の帰りを待っている

だが。


「わたくしの鞭を振るう必要がある罪は、見受けられませんでした」


そう言うと、エウリールは土下座したまま、固まっていた中年男性に手を差し出す。


「あなたは魔界で、捕虜になった天使の怪我の治癒に、尽力しましたね。魔界では医師だった。あなたの正しい行いを、しゅはお認めになるでしょう」


エウリール自らがその手をつかみ、中年男性を立ち上がらせた。


すると。


魔界では医師だったというその男性は、涙をこぼして喜んだ。


その喜びが周囲に伝わり、凍り付いていた空気が氷解する。


「ここにいる元悪魔の皆さんに、問題は見当たりません。オリアクス、ルル、あなた方の世界の祝福を、与えておやりなさい」


エウリールがその場を離れ、オリアクスとルルが皆の前に出た。


二人は自分達が何者であるか名乗り、そして俺とソフィアを紹介する。


俺が元魔王だと分かると、全員が驚愕した。


「マティアス殿下、人間となり、そして天使となった今も、我々のことを気にかけてくださり、ありがとうございます。この御恩は、私の夫であるケイシー共々一生忘れません」


そう声をかけてくれたこの女性が……。


「シャックス家の次女ジゼルだな。ケイシーは魔界で君の帰りを待っている」


ジゼルはその瞳を大きく見開き「本当ですか」と驚いた顔をした。


魔界へ戻れると知らせたが、個々の事情を知らせたわけではない。魔界に戻れても、そこに自分の夫が待っているとは思わなかったのだろう。


「ケイシーはしゅの祝福を受け、天使に戻った。だが天界に戻らず、魔界に残った。そして君の帰りを願い、しゅに祈り続けている。今も君を待っている」


ジゼルの瞳から、涙がこぼれ落ちる。


「ケイシー……」


愛する人の名を口にして、崩れ落ちそうになるジゼルの体を、ソフィアが支える。そしてその体をソフィアが抱きしめると、優しい光がジゼルを包む。


癒しの力だ。

ジゼルの顔から涙が消えた。


「……天使の癒しは……こんなに優しい力だったのですね」


ジゼルはため息をつく。


「天使と悪魔が手を取り合い、生きていくことができる証として、これからもケイシーさんと幸せでいてくださいね」


ジゼルが笑顔で頷いた。


その間にもオリアクスとルルは、祝福の口づけを与えている。地上に堕とされた悪魔は、次々と人間から悪魔へ戻っていく。


「マティアス、まだ奥の部屋にも待機している悪魔がいる。あと20名だ」


「分かった。ロルフ、連れて来てくれ。……エウリールは?」


「ここにいる」


エウリールが奥の部屋から出てきた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「オレ、ルル様希望」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう!!

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