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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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素肌に触れられるだけで……

肩掛けでキトンを着ていたので、ある程度俺の裸の上半身は見慣れているだろうに、シャツからのぞく素肌を見て、ソフィアは明らかに躊躇ためらっている。


「……ソフィア、これで終わりか? シャツは脱がせてくれないのか?」


耳元に顔を寄せて囁くと、ソフィアが体を震わせる。


伏し目がちになり、頬をバラ色に染めながら、シャツの前立てを掴んだ。


気づけばソフィアは息を止め、さらに目を閉じ、ゆっくりシャツを脱がせようとしている。でもコートとは違い、腕で引っかかり、うまく脱がすことができない。


ソフィアは仕方なく目を開き、俺の裸の上半身を目にすると、恥ずかしそうに目を伏せた。


もう耳や首や鎖骨の辺りまでバラ色に染まっている。

夢の話を聞いて。

俺がソフィアに服を脱がされたいと思っている。

そう理解して。


その願望に答えようと、慣れないことをしているソフィアは……。とても可愛らしい。このまま困惑するソフィアを見ていることもできた。でも、あまりにも愛くるしくて、これ以上無理をさせたくないと思ってしまう。


シャツを羽織りなおした。

シャツを羽織りなおしたことに安堵した様子のソフィアを、俺は抱きしめた。


「あっ」


ソフィアは小さな悲鳴を漏らす。


夜寝る時、薄手のキトンで抱き合っているのだから、そんなに驚かなくても、と思った。でもソフィアはガチガチに固まっている。


シャツは羽織っただけなので、素肌がのぞいている部分があった。ソフィアの頬は偶然、その部分に押し付けられる形になっている。俺の胸の中で、ソフィアは微動だにしなくなった。


意地悪をするつもりはなかったが、その初々しい反応を見ていたら……。


俺は抱きしめる腕に力を込めた。


すると。


ソフィアの閉じていた瞳は大きく見開かれ、顔全体が一瞬でバラ色に染まる。


しばらくはその状態で動かなくなっていたが、やがて全身から力が抜けた。躊躇ためらいながらも、ゆっくりと俺の胸の中に、体を預ける。


すると今度は俺が緊張してくる。

このままキスをしても、抱き上げても、ベッドまで連れて行っても……。ソフィアは受け入れてくれる。もしそこでシャツを脱いで、上半身が裸になっても……。


だが……。

好きな相手に素肌に直接触れられれば……いつも以上に緊張……いや、興奮する。


現に今だって、俺の心臓は激しく鼓動している。

素肌にソフィアの頬が、触れているだけなのに。

もしシャツを脱いだ俺の上半身に、ソフィアが触れたら……。


間違いなく、暴走するだろう。それだけはダメだ。

なるべく我を忘れないようにと意識しながら。

ベッドへ連れて行くことは諦め、ゆっくり優しいキスを唇にする。


その後はおでこ、瞼、頬、首筋、耳朶、鎖骨と、穏やかなキスを落としていく。


ソフィアは手を、俺のシャツに添えている。丁度胸の近くだ。自身の興奮に合わせ、その手が微妙に震えたり、動くのだが……。ソフィアの手が素肌の部分にもあたり、くすぐったいような、煽情的な気分になり、俺の呼吸は乱れる。


ちょっと素肌に触れられたぐらいで、こんなにも狂わされるとは。


もしこのシャツがなく、裸の状態でソフィアに触れられたら、俺はどうなってしまうのだろう? いやソフィアこそ、どうなってしまうのだろう?


俺は大きく吐息を漏らし、ソフィアへのキスを終了させる。


「……お風呂、溢れちゃうな」


ソフィアは小さく頷く。

最後にもう一度ぎゅっと抱きしめ、俺はバスルームへ向かった。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「決意」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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