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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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恥ずかしい寝言

俺とオリアクスの話が終わった時、寝室として使っている倉庫から、ソフィアとルルが出てきた。二人はなんだか親密そうに話し、クスクスと笑いあっている。


「とっておきの紅茶、ありがとうございました。とても美味しいかったです。またいろいろお菓子を持ってお邪魔しますね」


ソフィアが改めて御礼の言葉を口にすると……。


「マティアス殿下、ソフィアさん、ぜひまたいらしてくださいね」


ルルが笑顔で、ソフィアと俺を見る。


「兄上、今日は本当にありがとうございました。いろいろ話せて良かったです」


「オリアクス、ルル、時間を作ってくれてありがとう。二人が書庫から出られるよう、神の力の件は対応するから」


俺の言葉にオリアクスとルルは「はい」と頷いた。



書庫を出るとソフィアの手を取り、ゆっくりと歩き出した。


「ルルとは随分楽しそうに話していたな」


「はい。いろいろ話せて良かったです。夕ご飯の席でいろいろ報告しますね」


「そうだな。俺もオリアクスといろいろ話せたから、そこで報告をするよ」


ソフィアが突然ぎゅっと俺の手を握った。


「どうした、ソフィア?」


「……マティアス様が気絶されていた時のことを、話してもいいですか?」


「ああ。構わないが」


するとソフィアは、なんとも言えない表情で俺を見る。


「気絶されていたと思うのですが、マティアス様はその、寝言を口にしていたんです」


「そう、なの、か……」


「はい。とても小さな声だったので、気づいたのは私だけでしたが……」


気絶していた俺は無防備だ。


オリアクスが展開していた攪乱魔術は、無防備な俺に、間違いなく作用していたと思う。


だからこそ生々しい夢を見ていた。

そう、とんでもない夢を見ていた……。

その上で寝言を……?

あの夢に連動した寝言かと思うと……。

冷静を装いつつ、内心は……。


「ソフィア、俺は……どんな寝言を?」


ランプを手に暗い廊下を歩いていた。

だが、ソフィアの顔がバラ色に染まる気配を、ハッキリ感じる。


「それはですね、マティアス様。『何のために服を脱がそうとするんだ、ソフィア⁉』『待ってくれ、ソフィア』とか、どうも私がマティアス様に、いけないことをしているような寝言でした」


「……!」


思わずソフィアの手をぎゅっと握る。


「ソフィア、その、あの時は攪乱魔術の影響を受けていて……」


「そうだと思います。気絶していれば無防備になります。魔術の影響をダイレクトに受けますよね」


「……」


「……どんな夢だったのですか、マティアス様?」


ソフィアが俺を見上げる。

これはかなり恥ずかしい……。

ぽつり、ぽつりとその夢について話す。


いつもは夢なんてすぐに忘れてしまうのに、魔術の影響か、ハッキリと覚えている。


話終えた時、丁度王宮図書館の外に着いていた。


「……なるほど。マティアス様の夢の中の私は、随分と積極的ですね」


ソフィアは困ったように微笑む。


「あくまで夢だ。本来のソフィアとは関係ない。だから……忘れてくれ」


「はい」


「……ではシャックス家へ戻ろう」


ソフィアの手を取り、俺は翼を広げた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「書庫で気絶した時の夢が、再現されていく」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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