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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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本当はずっと……

「自分にとって兄上は、完璧な魔王でした。先代の魔王……父上のことを知らないので、自分にとって魔王は、兄上、ただ一人。ですから他の魔王と比較はできませんが、それでも、兄上は完璧に思えました。天界との戦を指揮しながら、内政にも取り組んでいた。先代魔王は戦のみで、内政などそっちのけだったと聞いています。


対して兄上は、時に和平や人質交換の交渉を行いました。ソフィアさんと共に、捕虜の天使に対する、画期的な施策も実施されて……。停戦の間は魔界に活気が戻り、夜会や村で様々なイベントも行われ、本当に楽しかったです。兄上の治世を生きることができ、心から良かったと思っていました。でもずっと心配でした。兄上は自分のことより魔界を優先し、自分の幸せを置いてきぼりにしているのではと」


そんな風にオリアクスが考えていたとは……。


「兄上、怒らないで聞いてください。……ソフィアさんに、自分は想いを寄せていた時期もありました。ルルがいるのに。それぐらいソフィアさんは魅力的でした。そんなソフィアさんをそばに置きながら、兄上は独身を貫いている。不思議でした。でも本当はソフィアさんにゾッコンだったのですね」


……!


オリアクスがソフィアに想いを寄せていた時期があった、だと!?


……そうか。

エウリールは間違っていなかった……。


「自分はルルと婚儀を挙げようと思います。せっかく兄上も魔界にいるのですし」


……!


「それに自分が婚儀を挙げ、ルルと結ばれれば、ルルは魔王の血筋になるのですよね?」


オリアクスが少し頬を赤くして尋ねる。


「そうだ。これは魔王の一族に定められている教義だ。婚姻の儀式で二人が結ばれることで、ルルの体内には王族の魔力が流れ込むことになる。流れ込んだ魔力が体内を巡ることで、ルルは王族の魔力を手に入れることになる。つまり、ルルは魔王の血筋となるわけだ」


「ということは兄上、ルルも人間になった悪魔を、元に戻すことができるのですね?」


俺は頷いた。


「ではルルにも手伝ってもらえますね」


オリアクスが笑顔で俺を見る。


「……そうだな。でもそのためには、地上へルルも降りなければならない。だがルルは地上を怖いと思っているのだろう?」


「そうですね……」


オリアクスが困ったという顔をする。


「今、ルルはソフィアと話している。ソフィアは俺と地上で暮らしていた。その時の話をルルに聞かせている。もしかするとルルはその話を聞いて、地上に対する考えが変わるかもしれない」


「……! そうですか。ルルの意識が変わってくれれば……」


「地上に降りる時は俺やソフィアもついて行くし、エウリールも……大天使ウリエルが護衛に着く。ウリエルがいればまず人間は俺達に近づけない。地上にいるはぐれ悪魔でも、ウリエルの名を知らない者はいない。死にたくなければウリエルには……俺達には近づかないだろう。悪魔狩りの天使が現れても、ウリエルがいれば手出しはできない。だからもしルルがはぐれ悪魔に襲われることや、悪魔狩りを恐れているなら、その心配はないと伝えて欲しい」


オリアクスが力強く頷いた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「恥ずかしい寝言」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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