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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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頼もしいエウリール

シャックス家の調理場には、ほうれん草のキッシュ、かぼちゃパイ、野菜のスープ、それ以外にも沢山の果物やお菓子などが届けられていた。


それらを俺達は有難く昼食としていただき、そして書庫で再会したオリアクスの件をエウリールに話した。


「そうか。オリアクスが協力してくれるのか」


食事が始まると、エウリールは真面目に話を聞き始めた。


真摯な顔つきのエウリールを見るにつけ、女天使にキスをしようとしていた姿が嘘のようだ。


食欲とは無縁のはずだが、空腹過ぎたエウリールは、女性の天使で欲求を抑えようとしていた……そんな風にさえ思えてしまう。


「オリアクスは協力すると言ってくれているが……。魔界は清められ、神の力に満ちている。書庫ではかろうじて魔術で神の力を抑えているが、今の魔界にオリアクス達が出てくるのは無理だ。協力するためには地上へ行く必要があるのに、オリアクス達は、書庫から出ることさえできない」


「つまり、魔界に満ちる神の力を弱める必要があるわけか」


エウリールの言葉に俺は頷く。


「……その件はなんとかしよう」


「!? なんとかできるものなのか……?」


「ふふ。マティアス、わたくしがお前との約束を、たがえたことがありますか?」


エウリールが大天使ウリエルらしく振舞うと、その言葉を信じていいと思えてしまうのが不思議だった。


「もしオリアクス様が、書庫から魔界へ出てくることができたとして……。魔界から地上へ堕とされた悪魔たちは、散り散りのはず。一人一人見つけ出して、出向くのですか……?」


ソフィアの疑問に、またもエウリールが応じる。


「それは大丈夫だ。おれは各国に拠点があるから、そこでアナウンスをかける。で、日時を決め、そこに魔界から堕ちた元悪魔を集める」


拠点……。

つまりエウリールと関係のある女悪魔か人間の女性が各国にいる、というわけか。


その中にはエミリアのように客商売をしている悪魔もいるだろう。


客商売をやっていれば顔が効く。

散り散りになった元悪魔を集めることも、これなら確かにできそうだ。


エウリールの女好きがこんな形で役立つとは……。


「なるほどです。となるとあとは『罰すべき悪魔を地上へ残し』が難しいですよね……」


ソフィアが食後の紅茶を口にしながら、思案顔になる。


拠点=エウリールと関係を持つ女性であると、ソフィアは思ってもいないだろう……。


「オリアクス達だけを、地上へ行かせるつもりはないだろう? おれ達も同行するつもりだよな?」


エウリールが俺を見る。


「当然だ。純血種の魔王の血筋なんて、悪魔狩りのかっこうのターゲットになる。俺達は護衛としてついていく」


「なら大丈夫だ。魔界へ戻れる悪魔は『罪なき悪魔』だとハッキリ示せばいい。嘘は同行する大天使ウリエルが見抜く。もし嘘をつけば……さあ、何がいいかな。鞭打ち百回か? 舌を引き抜くか。おれが来ると知れば、心にやましいことがある悪魔は、そもそもその場に来ないさ」


「エウリールは……ウリエルはそんなに恐れられているのですか?」


ソフィアが可愛らしい顔でキョトンとする。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「一万回のキス」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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