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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】魔界大騒動

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なぜ戻らない?

部屋に戻ると、ソフィアのおでこ、頬、瞼、唇と順にキスをして、目覚めを促す。


ソフィアは唇のキスで目を覚まし、そのまま腕を伸ばし俺を求めた。


まるで昨晩のほろ酔いが続いているようだ。

嬉しさがこみ上げ、その体を抱きしめる。

ここまでは甘い感じだったのだが……。


あの脱げやすいキトンの留め具がそこではずれ、ソフィアは軽くパニックになりながら、掛布団の中に潜りこんだ。


その後はもう、普段のソフィアに戻り、共に身支度を整えると、一階へ向かった。


まばらだが宿泊客が昨晩と同じように、それぞれ席に座っていて、その中にエウリールの姿もあった。俺とソフィアはエウリールの元へ駆け寄る。


「朝は完全セルフサービスだ。そこにパン、サラダ、フルーツ、飲み物が用意されている」


二人でカウンダ―に行き、用意されていたお皿に朝食を盛り付けた。


「マティアス様はコーヒーですよね。とってきますね」


「ありがとうソフィア。ではパンは俺が焼こう」


あっという間に朝食の準備が終わり、ソフィアと俺も、エウリールが座る丸テーブルに着席する。


「朝食を終えたら、部屋の片づけだ。その後は魔界へ一気に向かう。魔界……現在の正式名称は、聖なる楽園、らしい。だが皆、魔界と呼び続けている。ミカエルさえそう言っていたからな。もう魔界でいいとおれは思う。


で、現在の魔界だが、完全に清められ、そこに魔力は一切ない。完全に神の力が満ちている。そこに天使が行ってもなんら問題はない。でも新たにそこに住もうとする天使はいない。だから今魔界にいる天使は、マティアスやソフィアの政策で、そこに住んでいた元天使軍の捕虜だった騎士達だ」


エウリールはコーヒーを飲みながらそう説明した。


「それはつまり……、捕虜のために用意した村に住んでいた天使、悪魔と婚姻関係を結んだ元天使が、そのまま魔界に、聖なる楽園に暮らし続けている、ということですか?」


「限りなく正解に近いよ、ソフィア。元天使の扱いについて、しゅも頭を悩ませたようだ。天界のために戦い、そして悪魔の手に堕ちた。天使の力はないが、翼は残っている。天使でもなければ人間でもなく、悪魔でもない。いわゆる忘れられた存在だ。


そこが魔界のままなら、しゅの力は及ばない。見て見ぬふりもできた。だが魔界は清められ、聖なる楽園になっちまった。


しゅもこの問題に向き合うことになった。その結果、力はないが、翼は残っている。ならばと大盤振る舞いで、忘れられた存在……元天使たちに、天使の力を再び与えた。つまり、皆、天使に戻った」


「ということは、魔界に今いるのは全員天使ということなのですね、エウリール?」


ソフィアの問いかけに、エウリールは頷き、こう続けた。


「天使に戻ったのだから、天界の元いた場所に戻ることもできた。だが全員、今も魔界に住み続けている」


「なぜ戻らないんだ?」


俺の問いにエウリールは「分からん」と答えた。


いくら神の力が満ちたと言っても、そこは魔界だった場所だ。


天界に戻った方が気持ちも休まるだろうに。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「ミカエルの意図」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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