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完結●千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】天界大騒乱

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お前に抱かれたがってうずうずしているぞ

天界に戻ると、いつものように女の天使……神官が俺たちに近づいた。


が。


俺たちは悪魔を一体も狩っていない。


だから神官は「お疲れさまでした。次回の活躍をお祈りしています」と言い、武器だけ預かり、去って行く。


神官が去り、少し進むと、そこにはラファエルがいた。


アクラシエルを見ると、少女のような笑顔を向けて駆け出す。


二人は抱き合うと、そのままキスをした。

いろいろあったラファエルのそんな姿を見るのは気恥ずかしく、思わす視線を逸らす。


だが言わなければいけない。


二人の熱い抱擁が落ち着いたとろこで、ラファエルに声をかける。


「ラファエル、さっきは俺を庇ってくれて、ありがとう」


ラファエルは穏やかな笑顔を浮かべた。


「これで過去の遺恨はなかったことに、とはとても言えないが、マティアス、君を救えてよかったよ。でも君を助けることが、自分の救済につながるとまでは思っていなかった。あの時はただ無我夢中だったからね。


私がマティアス、君に放った天使の力は、加減したものだ。あくまでソフィアちゃんの封印を解くためのもの。でも今回はガブリエルの矢だ。大天使が放つ矢は一撃必殺。しかも必中だ。悪魔にとっては即死だが、私は大天使だし、即死は免れる……そう思って庇っていた。


自分が人間に堕とされていることを……あの瞬間忘れていた。純粋にマティアスを助けようと動いた私を、しゅは認めてくれた。こんなにも早く復権できると思わなかったよ。それもこれもマティアス、君が地上へ来てくれたおかげだ。感謝しているよ。


そして……悪魔に対する考えも、これからは少し改めようと思う。悪魔が敵である。それは変わらない。だが、もっと悪魔の本質を見て判断しようと思う。マティアスのような善良な悪魔ではないか、それを確認しようと思うよ」


ソフィアを救済すると豪語していた時のラファエルとは、別人だ。


あの時は俺を、さけずむような目で見ていた。

でも今は違う。


「互いの命を守りあった。過去の遺恨は乗り越えられたんじゃないか? ソフィアだって、とっくにお前のことを許しているし」


同意を示すように、ソフィアが頷く。


「俺から言えることはただ一つ。ラファエル、もうアクラシエルと離れ離れになるようなことはするな」


ラファエルは頷くと、アクラシエルを見る。

アクラシエルはラファエルの頭を撫でると、そのままキスをした。


! 慌てて視線を逸らす。

一応大天使だっていうのに、この二人は、イチャイチャしすぎじゃないか⁉


「それでガブリエルとアリエルは、お前と入れ替わりで、本当に地上に堕ちたんだな?」


二人から視線を逸らしたまま尋ねる。念押しでの確認だ。


「ああ、そうだよ。不幸中の幸いだったのは、私と違い、二人揃って地上へ堕ちることができた……ということかな。しかし、私のみならず、ガブリエルまで地上へ堕とされるとは……。ミカエルの心労を思うと……」


ようやくキスが終わったかと思い、ラファエルの方を見ると、文句の一つを言うことにする。


「というか、大天使は根性を一度鍛えなおした方がいいと思うが」


「そう言われると返す言葉がないよ。確かに私がソフィアちゃんにしようとしたこと。マティアスにしてしまったこと。そのどちらもヒドイことだった。それにガブリエルが君たち二人にしたことは……。神殿の利用を邪魔しただけでなく、悪魔狩りまで強いるとは……」


そこでラファエルは言葉を切り、改めて俺を見て、こう告げた。


「マティアス、君は知っているかい? たった二回の悪魔狩りで、あれだけの悪魔を倒した。君の騎士の序列はもう将軍クラスだ」


ラファエルの指摘に、盛大なため息をつく。


「将軍なんて、くそくらえだ。俺は元々魔王なんだ。将軍なんて地位、興味なんてこれっぽっちもない」


「まあ、そういうな。将軍ともなれば、天使としての力もさらに強まっているのだから」


「そっちも興味ない。というかもう行けよ、ラファエル。アクラシエルがお前に抱かれたがってうずうずしているぞ」


ラファエルは恥ずかしがることなくアクラシエルを見て、またキスを始める。


「おい、お前ら、それは家に帰ってからやれ!」


「そうだな。アクラシエル、私の離宮へ行こう。連れて行ってくれるかい?」


ラファエルが甘えるようにアクラシエルを見た。


「もちろん」


アクラシエルはラファエルを抱き上げる。


中性的で腕力なんてなさそうなアクラシエルだったが、ちゃんとラファエルを抱き上げ、翼を広げていた。


「マティアスさん、ソフィアさん。私はしばらくラファエル様の離宮に滞在します。また戻ったら二人を尋ねますね」


「ああ」「アクラシエルさん、お幸せに」


俺とソフィアの返事を聞くと、アクラシエルはラファエルを抱きかええ、飛び立った。


「ソフィア、俺たちも帰ろう」


「そうですね」


ソフィアと手をつなぎ、家へ向かい歩き出した。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!


次回更新タイトルは「まだ心の準備が出来ていないのか?」です。


明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。

それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼

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