もう悪魔ではないのに
急遽企画したので、SNSでの告知は、結構遅い時間になってしまった。
果たしてこの情報に小笠原久光が気づくのか、そもそも彼以外の一般人の反響は大丈夫なのかと思っていたが……。
すでにエウリールはマンションに戻り、ソフィアと俺は順番にシャワーを浴び、寝る準備をしていた。先にシャワーを浴びたソフィアはソファで寛ぎ、俺はシャワーを終えてバスルームを出たところだった。
「マティアス様、大変です。phantomとMisfitのSNSでの反響が、すごいことになっています」
各種SNSに投稿した告知は、ものすごい勢いで拡散されている。明日ということで、とても来ることはできないであろうブラジルやメキシコのユーザーまで、反応していた。
ここまで反響があれば、小笠原久光も絶対に気づいているはずだ。
「あ、エウリールから着信です!」
ソフィアが電話に出ると、明日のチャリティーコンサートを取材したいというマスコミが、殺到しているのだという。
それはそうだろう。
これだけSNSで騒がれているのだ。
さらにこのコスプレをしているのは誰だ、ということも話題になっているという。
だがソフィアであると明かすわけにはいかなかった。だからそこはシークレットで押し通すことにする。
「マティアス様、なんだかすごいことになってきましたね」
エウリールとの通話を終えると、ソフィアの頬が高揚していた。
「きっとソフィアのコスプレのクオリティが高いからだよ」
そう言ってソフィアを抱き寄せる。
「みんな、誰がコスプレしているのかと気になっている。その正体を知っているのは……ちょっと優越感だな」
もう悪魔ではないのに、こういったスリリングを楽しみたくなるクセは、俺の中で健在だ。優越感で気分が高揚し、抱き寄せたソフィアにキスをして、そのまま頬、首筋、鎖骨へと口づけを続ける。
鎖骨までキスをすると、いつものソフィアなら「これ以上はダメです」と止めるのに……。
今日のソフィアはそうしない。
そのまま少しバスローブの襟元を広げ、胸の谷間にキスをしても、ソフィアは止めなかった。
もしかしてエウリールのおかげか……?
ならばもう少し攻めても……。
そう思ったが、それ以上は俺自身がコントロールを失う可能性がある。
だからそこまでで我慢すると、襟元を元に戻し、抱き上げる。
そしてその体をベッドに運んだあとは……。
いつも通りの範囲で、ソフィアとの甘い時間を楽しんだ。
次回更新タイトルは「赤裸々に情事を明かす」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日も勉強、お仕事、頑張りましょう‼




