会いたかった!
赤毛のショートヘア、くりっとした黒い瞳、抜群のスタイルのこの女性は……。
「ベラ!」
俺とソフィアの声が揃い、ベラは目を丸くした。
「え、何だよ、今の声⁉」
ベラの後ろにいるのは、ハニーブラウンのウルフヘア、奥二重の黒い瞳、長身でよく鍛えられた体躯のロルフだ。
「ベラ、ロルフ、俺だ。マティアスとソフィアだ」
二人は「ええええ」と声を出し、まじまじと俺とソフィアのことを見た。
「……! ソフィア‼ なんで男性の服なんて着ているんだい⁉」
ベラがソフィアに駆け寄る。
「うわあ、本当だ。でもなんか、これはこれはで、そそるよな?」
ベラが反応し、ロルフの足を思いっきり踏んだ。
悶絶するロルフを無視して、ベラは俺をじっと見た。
「……マティアス、なの、かい……? 髪が金色だし、目の色も……。黒曜石のような綺麗な瞳が、天使みたいな碧い色になちまってるじゃないか。肌だって天使みたいな……」
「ベラ、それは当然だろ。エウリールが言っていたじゃないか。マティアスの魂は天界に召されたって。でもって天使になっちまったって」
ロルフが踏まれた足の痛みを堪えながらそう言うと、俺を見た。
「マティアスなんだな、本当に」
「そうだ」
その瞬間、ベラとロルフは俺とソフィアに抱きついた。
「マティアス~、ソフィア~、会いたかったよぉぉぉ」
ロルフが男泣きをし、ベラは……。
「ソフィア~、マティアス~、もう一度会えるとは思わなかったわよぉぉぉ」
同じく号泣していた。
そんな俺たちの様子をアクラシエルは温かい目で見守っている。
「それで、マティアス、ソフィア、地上へ何しに来たんだ? 天使はそう簡単に天界から出られないんだろう?」
ロルフが鼻をすすりながら尋ねた。
「そうだ。悪魔狩りのために地上へ来た」
ロルフとベラが凍り付く。
「マティアス様、二人をいじめないでください。ロルフ、ベラ、安心してください。マティアス様と私は悪魔狩りに行く、という名目でここに来ましたが、悪魔を狩るつもりはありません。別の目的で来たんですよ」
そう言うとソフィアは、二人にアクラシエルを紹介した。
アクラシエルがラファエルの夫であると知ると、二人の表情は困惑に変わる。
「ロルフ、ベラ、もうラファエルは、ソフィアや俺に何かすることはない。アイツは……俺に謝罪の言葉を口にしたんだ。主から監視されているし、ものすごく懲りた様子だった」
二人は「そうか」とまだ半信半疑の様子だったが……。
「マティアス様と私は、アクラシエルさんをラファエルに会わせるため、そしてロルフとベラ、あなた達に会うのはもちろん、エミリアさんやお店の女悪魔の皆さんに会いに来たのです。今、二人がここにいるということは、エミリアさんのお店で働いているんですよね? エミリアさんに伝えてもらえませんか、マティアス様と私が会いに来たと」
ソフィアの言葉で、二人はまたも泣きそうになっていた。
昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!
この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!
本日は2話公開です。引き続きお楽しみください~。




