ステージ1:制作秘話
目の前に立ちはだかる巨大な壁を見上げる二人。当初の予定ではエリふたり分ぐらいの高さに収めるつもりだったのが、オバケの
「せっかく現実の物理法則無視の、思うだけで作りたいものを作れる無限の空間がもったいないです。ここは自分の殻をぶち破って思いっきりやりましょう!」
という言葉に押されて、さらに一人分の高さを追加すると「もっともっと!」と煽られて、ついに十人分の高さまで達してしまった。
「ちょっとやりすぎじゃない?」エリは隣にいるオバケに心配そうな面持ちで尋ねた。
「いえいえ! やりすぎと思うぐらいでいいんですよ!」しかしオバケは満足そうに笑って答えた。「きっとリラさんもこのぐらいインパクトがあったほうが喜びますよ」
「そう?」
「はい!」
「……なら、これでいい」
納得しきったわけではないが、自分がこういうことに疎いことやオバケの自信満々なところ、関係もないのに嫌な顔ひとつせず協力してくれていることもあって、エリは彼のことを信じてみることにした。これで仕掛けの大きさが決まったので、次は重さを考えなくてはいけない。現状はほぼほぼ重さがなく寄りかかっただけでも動いてしまうぐらいだが、もちろんこれでは壁に擬態させている意味がないので、もうすこし重量を与える必要がある。
「……どのくらいがいい?」
エリは重たくすると途中で疲れて嫌になってしまうかもしれないことが心配でひとりでも軽々と押せるぐらいがいいと思っているのだが、大きさの件もあってオバケに助言を求めた。
「う~ん、そうですね……やっぱりこういうのはある程度の大変さがあったほうがクリアした時に達成感を味わえるので、ひとりだとすこし重たくてふたりだとちょっと重たいぐらいがいいと思います」
「……それって結局どのくらいなの?」
「まあ、そうですよね。実際にやりながら決めましょう」
こればっかりは感覚の話なのでふたりで協力したりエリひとりで押したりして、何度も何度も確認して微調整し、一応の重さが決定した。
「あとは本番でのリラさんの様子次第ですね。キツそうなら軽くしましょう」
「うん」
「で、どうです? 本当のとは方法が違いますしまだ一つ目のステージだけですが、ゲームを作ってみて」
その問いかけにエリはすこし考えて、
「リラが楽しんでくれるか不安だけど、おもしろい」




